友人に誘われて・・・


昔、友人の家に遊びに行ったときのことでした。

  「おれ、これからちょっと行かなアカンとこ、あんねん。・・・そや!いっしょに行けへんか?すぐ、終わるから。それから、遊びに行こうや。」

と、言うではありませんか。

 

僕  「行っても良いけど、遠いんか?」

彼  「イヤ、すぐそこや。五分ぐらいや。」

僕  「ホンマニすぐに、用事終わるんやろな?」

彼 「ほんまや。ちょっと顔出すだけやから。」

 

 

ということで、僕は彼の用事に付き合うことになりました。

 

 

行った先は、とある民家。

 

 

玄関を空けると、中からにぎやかな話し声が聞こえてきます。

ワイワイ−−−−−−−−ガヤガヤ−−−−−−−−−

 

 

僕は遠慮しながら中へ入ってみると、部屋には十五〜六人のオバサンたちが集まっていました。

 

オバサンA  「ヤアー、xxxちゃん。よー来たな。  まっとたんやで。」

 

 

友人  「ひさしぶりやな、おばちゃん。元気やったんか?」

 

 

ぼく「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

オバサンB  「xxxちゃん。あんたとこのお母さん、もう身体よーなったんか? みんな心配してるんやで。」

 

 

友人   「ありがと。だいぶん ヨーナッタ。もう、歩けるようになったし。」

 

 

オバサンB 「よかったなー。これも、○○○○様のおかげやで。ホンマニ御利益あるナー。」

 

 

 

僕  「?????????ゴリヤク????○○○○様?????」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これって、

 

ひょっとして、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

なにか・・・・・・・・・・・・・・・・・宗教の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あつまり???????

 

 

なにか、とんでもないところに来てしまったのではないか?・・・・・・・・・・・・・どうしょう?・・・・・・・・・・・・・・・・・かえろうか?・・・・・・・・・・・・・・

 

 

いいようのない不安に、気持ちがだんだん落ち込んでいく僕をよそに、友人は、相変わらず楽しそうにオバサン連中と話しをしている。

 

 

 

「さー、それじゃー、ボチボチはじめましょ

うか?」

 

 

オバサン連中のリーダーらしき人が、大きな声でそう宣言した。

 

他のオバサン連中は、その声をきっかけに、話しをやめ、一瞬、場は静まり返った。

 

 

リーダーらしきおばちゃん  「今日は、皆さん、忙しいのに集まっていただいて有難うございます。それでは、月に一回の定例会をはじめたいと思います。」

 

「それでは、Aさん、どうぞ。」

 

さきほど、僕の友人と話しをしていたオバチャンAが、たちあがって、話し出した。

「今日、こうして、定例会に出れるのも、久しぶりです。3ヶ月間、ズーッと、神経痛に悩まされ、病院を行ったり来たりしていました。

でも、やっぱり○○○○様はおやさしい方でした。 毎日、毎日、○○○○様にお祈りをしていましたら、だんだんと痛みが薄らぎ、今日、こうして、定例会で皆さんに

報告ができるまで回復しました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・皆さん、有難うございます。

 

○○○○様は、決してお見捨てになりません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これからも、ますます、○○○○様の

 

 

ごりやくを、まだ知らない人たちに広めていきたいと思っています。有難うございました。」

 

 

 

 

パチ、パチパチ、みんなから、いっせいに拍手の音。

 

 

 

僕の心の声(アホクサ! そうしたら、なんで、神経痛になってん。 ○○○○様のゴリヤクは、効けへんたんか?          だいたい○○○○様も人が悪いで、なんで、神経痛になる前に・・・・・・・・・

 

 

いや、これ以上は書くのをやめます。○○○○様の信者はいまや、いたるところにいます。

 

 

もし、まんがいち、信者の一人が、このページを読んだら・・・・・・

 

 

 

信者「○○○○様、 このあいだ、くだらないホームページを見ておりましら、

○○○○様のお力を疑うヤカラがおりまして、そのことを記事にしてお

りました。いかがいたしましょうか?」

 

 

 

 

 

 

○○○○様「フーム、・・・・・・・・・・まだ、わしの力を信じぬバカモノガいるとはの

ー。

・・・・・・・・・・・・・・けしからん。天罰を与えようぞ。」

 

 

 

 

となり、私の人生、コレマデカ、・・・・・・・・・・となっても困りますので。

 

 

 

 

リーダーらしきオバチャン  「つぎは、xxxちゃん、あっと、ごめんなさい。ついいつものくせで、xxxさん。お願いします。」

 

 

 

僕の友人は、誇らしげに、少し恥ずかしそうに立ち上がった。

 

 

友人 「ぼくは、去年、一浪しました。・・・・・・・・とってもつらかったです。

 

   でも、一浪するのも、きっと、○○○○様に、何か考えがあってのことだろうと思い、一生懸命勉強してきました。」

 

 

 

僕の心の声「うそつけ!おまえ!遊びまわっとったやないか!   」

 

 

 

友人 「そして、今年の受検の日でした。 僕は、前の晩から寝れなくて、朝になっても、緊張でだんだんと、おなかが痛くなってきました。

 

もうすぐ、受検に出かけなくてはならないというのにおなかの痛みはなかなか直りませんでした。

 

正露丸を飲んでみたのですが、いっこうに治まりません。

 

 

 

 

 

そのとき、僕は、神にもスガル思いで、○○○○様にお祈りしました。

 

 

それから、しばらくしてです。おなかの痛みが嘘のように治まっていったのは。

 

 

 

 

 

 

 

そして、僕は、今年、無事、受検にも通りました。

 

 

あの時、○○○○様にお祈りしていなかったら・・・・と、思うとゾッとします。

 

 

 

 

あれ以来、毎日僕は、○○○○様にお祈りするのを、欠かさなくなりました。

 

 

それまでは、めんどくさいときもあり、ついついサボることがあったんですが。          以上です。」

 

 

 

 

 

 

ワーッ!!    パチパチパチ・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

僕の心の声  「腹痛が治ったんは、正露丸のおかげやろ!  正露丸に感謝せー!

 

 

 

会も終わり、表へ出ての会話。

 

 

  「おまえ、いっつも、あんな会に出とったん?」

 

 

友人  「いっつもちゃうけど、たまにいっとるで。お袋が調子悪かったからな。結構おもろいやろ?」

 

 

僕  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁーな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

友人 「またいっしょに行けへんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのうちに、・・・・・な。・・・・・・・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

友人 「そんな冷たいこと言うナヤ。 次ぎあるとき電話するわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の心の声  「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こいつと、・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つきあうのん・・・・・・・・・・・・・・・・やめよかなー?・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも彼との交際は、いまだに続いています。

 

 

 

  エッ、 会合に行ったのかって?

 

 

           行ってません!

 

 

 

 

そこは、ノラリクラリかわしながらの付き合い方が大人の付き合い方というものです。?????

 

 

 

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