僕の住んでいるところは、大阪の事務所までは一時間ぐらいでいけるんですが、かなりの田舎です。

 

家の周りに街頭などなく夜になると真っ暗で 懐中電灯がなければ道が見えないくらいです。

タバコを買いに行くのも車ですし駅までのバスなど二時間に一本ぐらいしかないような所で

都市ガスなどもちろんまだ通ってなくいまだにプロパンガスです。

 

そんなところですから、生活には少し不便ですが、その代わり自然には恵まれすぎるほど恵まれています。

 

家の窓からキジが散歩しているのが見えるなんて、信じられます?

 

周りは見渡す限りの田んぼと山で、家の中にセミが飛んできたり、トンボが入ってきたりもするんですよ。

 

都会の人にはうらやましい環境だと思うんですが、でも、セミやトンボや野鳥もたくさんいる代わり

僕のだいっ嫌いな、 ヘビ、ムカデ などもたくさんいます。

 

そんな僕の家の裏山にいつからか一頭のサルが住み着きだしました。はぐれざるのようで

いつも一頭です。おそらく群れから追われたんでしょう。

 

そのサルが餌を求め人家のほうまで降りてくるようになりました。

近所でも小さい子がいる家などは戦々恐々としていました。

 

僕の家はパソコンが置いてある部屋の窓を開けると小さな中庭になっています。

ある日の日曜日、いつものように昼間からビールを飲みながらネットサーフィンをしていると中庭のほうでガサガサ音がします。

 

猫が迷い込んできた音にすればちょっと大き過ぎる音なので、ハテハ泥棒か?とおもい、こわごわ

窓をそーっとあけて見るとそこにいたのです。サルが!

 

 

サルもこちらに気づきクルッと振り返りました。

 

 

 

 

僕とサルとのにらみ合い。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

ここで負けるとサルは利口な動物なので、こちらを舐め切ってしまって今後どういった行動に出るか分かりません。

ここで負けてはなるものか! 僕はハタッとサルをにらみつけました。

 

 

どれぐらいにらみ合いが続いたでしょうか、実際は数秒だと思うのですが僕には果てしない時間のように思えました。

やがて、サルはあきらめたのか、僕の気迫に慄いたのか、裏の山の方に逃げ去っていきました。

 

 

勝った!

 

   僕は家を守り抜くことが出来た!

 

妻よ!今この場におまえがいないのが残念だ。この勇姿を見たならキット今夜のおかずが一品増え、 

 

 

 

ねー、あなた・・・・・・・

 

 

 

という具合になるであろう!

 

 

    勝負を終えたあとの男の充足感が僕を包み(実際にはかなり怖かったのですが・・・)

 

満足げに僕は部屋に戻りました。

 

 

 

 

 

 

すると部屋の中がなにやら   焦げ臭い。   ??????????????????

 

 

????????????????

 

 

 

 

 

 

 

何のにおいかとあたりを見回して見ると、  買ったばかりのカーペットの上に灰皿から

 

転げ落ちたタバコが・・・・・・・・。

 

 

 

 

カーペットには修復のしようが無いコゲアトがくっきり。

 

 

アー、妻よ、おまえがいなくて良かった(ホッ)

 

 

 

 

 

後日談 : 帰ってきた妻はカーペットの焦げ跡を予想どうり即座に発見し、現在、我が家の灰皿は、お菓子の空き缶に水を張りその中に置かれています。

 

 

情けない・・・・・・また亭主の威厳が一つ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

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