さっきから目の前を一匹のハエがぶんぶん飛んでいます。追っ払っても追っ払っても、小馬鹿にしたようにしばらくすると舞い戻ってきて僕の顔の周りをブンブン飛び回ります。
そんなに俺の顔が美味そうか?俺の顔から良い匂いでもしてるのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アー悪かったな!今日は日曜日でまだ朝から顔も洗ってないんだよ!
俺はアースを手に取った。(ジェット噴射でハエ・カを落とす!と書いてある)これなら一吹きでこいつはくたばるだろう。ところが、こいつがナカナカ素早い。
狙いを定める間もなくブンブン飛び回りやがる。あっちに一吹き、こっちに一吹き、これがナカナカ命中しない。
ハエは俺をおちょくるように相変わらず顔の周りをブンブン飛び回っている。
クソーッ!
シューッ!(アースの音)
シューッ!
シューッ!
俺は、少々、ムキになりすぎた。ハエにばかり気を取られ、・・・・・・・・・・・・・・・自分の存在を忘れていた。
シューッ!
その一吹きはハエをかすりもせず俺の顔面を直撃した。
俺はあわててティッシュで顔を拭き洗面所に走った。
戻ってくるとすでにハエはいなかった。
きっと今頃は仲間のところに戻って、馬鹿な俺を笑っているんだろう。
今日のところはこちらの完敗である。
だが、次こそ!いつでも来い!
待っているぞ!
俺はアースのスプレーを手に取り、(ジェット噴射でハエ・カを落とす)と書いてある後に、油性マジックで(俺も落とす)と書いた。
PS:これを書き終わった今、また戻って来やがりました。たぶんあのハエでしょう。
ちょっと待て、これを書き終わったら存分に相手をしてやるから。
俺は片手でキーボードを打ちながら、あいた片手でジェット噴射付きアースをたぐり寄せた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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