B型人間
僕はどうも人によると典型的なB型人間であるようです。
とかく・・・・・・飽きっぽい、自分勝手、お調子者・・・・等々。
たしかにそうです。
自分でもあきれるほど、いままで、いろんなことに手をつけてきました。
子供のときからのものを数えると自分でも思い出せないくらいですから、イヤんなります。
蝶集め、(夜の蝶じゃありませんよ。)、釣り、自動車整備、男の縫い物、男の料理、キャンプ、食器集め、カメラ、簿記、司法書士受験、フランス語、英会話、等々・・・・・。まだまだあります。
ここ数年はパソコンにはまっているが、そのなかでも興味の対象はめまぐるしく変わっていきました。
3D、MIDI、Visual Basic、html言語、C言語、Perl言語、二日でやめたものや、やめてはまたしばらくして一からはじめるものや、今でも続いているものまでさまざまです。
今日は、その中で、釣りの話をします。
新婚当時、僕は大阪の泉北といいまして、山を切り開いて作ったニュータウンの公団にすんでいました。
そこから車で20分も行きますと泉北港に着きます。また40分ほども車を走らせますと和歌山のほうにも行けます、
そのあたりは、休みの日にもなりますと、家族連れや友人同士の釣り客でにぎわいます。
(いっちょう、釣りでもはじめるか)ある日、唐突に僕はそう決心しました。
ここからが、僕の悪い癖で、やる前に、かたちから入る癖がありまして、
まず、本屋に行き、釣り関係の本、それも、今の自分ができるはずもない
磯釣り関係の本や、ルアー釣り、チヌのつり方、等々.およそ、近所の本屋に置いてある釣り関係の本は、
単行本、月刊誌、を含め、ことごとく買いあさります。
断っておきますが、この段階では、まだ、釣りざおも握ったことがありません。
そして、買いあさった本を、布団の中で、朝まで、読みふけって研究します。
もうこの段階で、頭の中は、(ツリ、・・・つり、・・・釣り・・・・・でいっぱいの状態になっています。)
妻は、(また始まった)とでもいわんばかりの、あきれた表情で相手にもしません。
そういう状態が、数日続きまして、そのころには、いっぱしの釣り通になった気分で本人はいます。
「リールはどこそこのメーカーのなんていうやつ、竿は、グラスファイバーより、やっぱ、カーボンだぜ。」
というぐあいです。・・・・断っておきますが、この時点ではまだ竿も握ったことがありません。
本から知識を得たら今度は、いよいよ道具です。
泉北の防波堤で釣りをするぐらいなら、サビキ用の釣りざお一本あれば十分なのですが、
心だけは、いっぱしの釣り名人の今の僕には通じません。
まず、サビキ用の竿は当然買います。釣具センターに行けば他にも立派な竿が所狭しと並んでいます。
ルアー用、船釣り用、投げ釣り用、また、この竿はチヌ用だとか、釣る魚の種類によっても竿は違います。
まるで、オランダの飾り窓に並ぶ女性たちが、にこやかにオイデ、オイデをするようにその竿たちは
魅力たっぷりに飾り立てられて、さあー、これから釣りをやるぞ!という男達の気を引きます。
ついつい、それじゃーこいつも買っとくかと投げ釣り用の竿も一本買ったりします。
リールなどもこの調子で、スピニング型というんですか、ごく普通の形をしたリールをまずは買うんでうが、
その横に並んでいるかわいらしい、ルアー用の小さなリールも買ったりします。
そうしてそろった道具が、竿では、投げ釣り用、3本。磯釣り用1本。サビキ用3本。ルアー用2本。リールでは、普通の形をしたリール2個。
たぶんルアー用、2個。よく分からない1個。クーラーボックス、1個。生き餌用クーラーボックス1個。ライフジャケット。
投げ釣り用のスタンド。投げ釣り用の指サック。(投げ釣りをするときに糸で指が切れることがあるらしいです。)・・・・・・・・・・・・・等々。
おびただしい数になりました。
もちろん、そんなに小遣いがあるわけではありません。小遣いなんて、とっくに使い果たしています。
友達から借りたり、自営業の役得?-妻に売上をごまかしたりして、買いました。
妻には、「安かった。この竿2000円やった。」とか言ってごまかしていました。
まさか「0が一つ多い」なんて言えませんよね?
そうして、不眠不休で研究をし、妻をごまかし、友人から借金をし、釣りをはじめたのですが、
釣った魚は、サビキで釣るカタクチイワシ、時々つれる鯛の子(チャリコ)数匹。あとは名前も知らない小魚数匹。
以上で、ぼくの釣りの熱は、急速に冷め、後の残った道具だけが、ほこりをかぶって、今でも家に眠っています。
げに恐ろしきはB型人間です。
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