鹿児島 ムー大陸博物館



ムー大陸博物館って何だ?

 鹿児島に「ムー大陸博物館」という怪しいスポットがあると聞いたのは、半年ほど前の 事だろうか。仕事で鹿児島に出張した会社の先輩が週末に現地の人間に連れていって もらったのだそうだ。といってもその現地の人間K君も今はこっち(神奈川)に出向の 身であり、私と毎日メシを食う仲であるのだが。
 とまあ内輪の話は置いといて、実際に 見学してきた先輩諸氏の話を聞くと「怪しさ爆発!」状態なのだそうだ。この目で 見ていない筆者としては何が怪しいのか全然わかんないのだが「写真を取れないほど 怪しかった」らしい。「プライム・テン」という怪しいジュースも売っているらしい。 ますます謎である。それは「アヤシイ」というより「アブナイ」 んじゃないの?って聞きたくなるほどである。実際の所「ムー大陸博物館」は某マイナー 宗教団体が運営している施設で、敷地内に博物館の他に「多寳佛塔」という塔があり そいつが宗教上の重要アイテムになっているらしい。信者らしき人が掃除に来てたり (奉仕活動?さしずめワークか?)参拝に来る人もいるようだ。
 これは是非ともこの目で見なければなるまい!という訳で鹿児島に行く機会を伺って いたのだが、仕事の関係上鹿児島に用事があまり無く、やっとの事で実現した鹿児島出張 は96年7月の事であった。しかも今回は10日ほど滞在するので週末に自由行動が 取れる。期は熟した。いざ行かん!ムー大陸博物館なのだ。

いざ出発!

 決行したのは96年7月6日(土)。当日は大雨で鹿児島県内は大雨洪水警報が発令されて いた。考えてみたら鹿児島の7月は梅雨なのだ。そういえば鹿児島に来てから毎日毎日 雨ばっかで「夏」って感じがしない。仕事の関係上、宿泊していたのは国分市内の某 ホテルであったので、国分が出発点だ。
 朝10:30に国分市内を出発。現地在住のM君に車を出してもらった。彼もまた1年ほど出向で 神奈川に来てた事があり、一緒にメシを食った仲である。 国道10号線に出て一路鹿児島市内を目指す。途中、M君の故郷、加治木町にて 銀行に寄り軍資金を調達。その最、加治木町が生んだアイドル「笹峰 愛」の実家 「アイショップ」を見学する。このアイショップというのは笹峰愛の「愛」を取って アイショップにしたわけでは無く、単にそーゆーフランチャイズチェーン店が有ると いうだけだそうだ。しかしM氏によると、店では笹峰愛グッズ(CD等)を売ってた事も あるらしい。ちなみにこの加治木町出身の有名人と しては、サッカーの城なんたらって人がいるらしい。 アトランタオリンピックで彼も日本代表として参加してたそうな。 時期的に応援って事なのであろうか、やたら町内に垂れ幕が下がっていた。 でもサッカーにあんま興味のない私としては笹峰愛の方が重要なのだった。 ちなみに加治木町の名物は「かじきまんじゅう」で美坂屋のが美味しい そうである。

鹿児島市内を抜けて

 さて、鹿児島市に近づくにつれ海岸線に沿って道は走る。途中竜ヶ水付近を 通行するときはけっこう緊張もんだった。なんたって「毎日が大雨警報」の 鹿児島県だ。地盤は緩んでおりいつ崩れてもおかしくない。 実際、朝のニュース等で交通情報を見ていると県内のどっかしらの道路はがけくずれで 通行止めになっている。三年前みたいに道路ごと土石流に流されて海におちる!なんて事も あるのだ。あまりの緊張に尿意を催し、近くのパチンコ屋「森永娯楽センター」 で用を足すことにした。ついでなのでトイレ使用料として500円ほど打ってやる ことにする。私は適当な平台に500円分の玉を投入して戦闘開始! おーけっこうルーレットは回るが全然リーチが来ない。たまにリーチが 来ても外れてしまい、約10分で玉は消滅。M君はもうちょっと粘っていたみたい だが、程なく玉砕。しょうがなくパチンコ屋を後にしてさらに南下を続けると 鹿児島市内に入った。さすが南九州最大の都市。けっこう渋滞してたりする。 (ちなみに市内に入るまでは渋滞知らずであった) 左側に桜島がぼやーっと見える。フェリー乗り場とかもある。びっくりしたのが フェリーは24時間運行で桜島まで12分で着いてしまうらしい。 実は桜島って市内にヒジョーに近かったのであった。
 市内を抜けて国道225号を経由して国道226号に入る。とたんにさびれてきた。 あまりのさびれ加減にあまり書くことが無い。数多くのバリエーションに富んだ ラブホテルがあるらしいのだが、あまり見かけなかった。ラブホテルというと 普段はめざとく見つけてしまう筆者なのだが、この時は「ムー大陸博物館」に 心を奪われていたのだろう。 途中、喜入町という所に日石の 巨大石油基地があった。これは壮観。巨大な石油タンクが何十個も林立しているのだ。 さすがに日石特需なのであろうか、この付近は町が活気に満ちあふれている。店なども 多いようだ。しばらく海岸線を走ると指宿市に入った。目指す「ムー大陸博物館」は もうすぐである。

イッシーの棲む湖

 おっと、その前にもう一つのディープな場所「池田湖」について言及しなければ ならない。指宿の海岸線から少し内陸入ると、池田湖がある。別に何のへんてつも 無い湖なのだが、二つ名物がある。ひとつめは「イッシー」である。 なんでも巨大恐竜が住んでいるそうで、立ちよった土産物屋ではイッシーグッズが 盛り沢山であった。当然get。 でも右を見ても左を見てもイッシー、イッシー、またイッシーって感じで、もうてんこ盛り状態。やたらイッシーネタで攻めてくる。 他にネタ思いつかないのかよー。でも筆者は敵(?)の策略に乗って思わずイッシー像と 一緒に写真を取ってしまった。ヤバイなぁ。
 もうひとつの名物は巨大ウナギだ。これもドライブインに展示してあったが 直径15cm長さ1m位のウナギが水槽に入っている。しかも水槽は1つじゃなくて 何個もある。 さらに売店に入るためにはその巨大ウナギ展示場を通らないと行けないような 構造になっているのだ。うーん上手い策略。でも見るからに不味そうで あまり食べる気にはなれない。なんか臭くて油ギットギトって感じなのだ。 おまけに売店ではウナギ皮の財布なんて売ってたりして、思わず浜名湖もビックリだ。 ウナギ皮の財布なんて持っているヒトいるのかな?やっとの事でウナギ展示会場を抜けて たどり着いた売店には販売員のオバちゃんが5m間隔で立っており、我々から少しでも 搾取しようとあの手この手で迫って来る。ちょっと品物を手にとって見るとすごいスピードで 接近してきて「いかがですか〜?」。まさにtakaQ並みである。しかし、そこは 百戦練磨(何の?)の筆者とM君であるから、あっさりとかわして立ち去ったのであった。 後で聞いた話なのだが、池田湖ドライブインの一軒「ハブ vs マングースの戦い」 というのをやっているらしい。でもなんで「ハブ vs マングース」なんだろう?

ついに発見!ムー大陸博物館

 さて池田湖を後にして10分ほど走った頃でだろうか、いきなり我々の目前に 「ムー大陸博物館」の文字が飛びこんできた。巨大看板の出現だ。 「800m先右折」と書いてある。800m進むと田んぼの真ん中に車がすれ違えない ような細い道が伸びており山に向かってのびてる。「ほんとにここ?」って感じの 道だが曲がり角にも巨大看板が!そこで右折して山道を上って行く事にする。 一応舗装はしてあるが、曲がりくねり具合や勾配はスーパー林道並だ。 数km走ると、いきなり視界が開け駐車場が出現した。趣味の悪い門が見える。 入り口近くにジュースの販売機が設置されており、怪しいジュースが売っている。 「プライム・テン」こ、ここだぁ〜!!ついたぁ。
 車を降りて、趣味の悪い門に近ずくと、横に入場券売り場があった。 大人300円。団体割引もあるそだ。でもこんな所に団体で来る奴はいるのだろーか? 信者は来るだろーけど、信者からも入場料をとるのだろーか。 モギリのにーちゃんは目がウツロ(いわいるイっちゃてる系)で、 さすが宗教系だなあ、と思われる風貌だったが、何故か月刊少年マガジンを読んでおり、 さらに室内にMacintosh LC475が設置されているではないか。モニタはMAGの15インチだ。 しかもバックに流れている曲はプリプリである。あまりの俗世間さにギャップを 感じながら門を入り、怪しい模様の石タダミを数百メートル歩いていくと、 休憩所みたいな所にたどり着いた。でも横にはしっかりと「ムー大陸博物館」と 書いてある。つまり同じ建物の中に休憩所と博物館が同居しているのである。
 博物館の入口は幅一間ほどの地味なガラス戸であり、なんか博物館というより 喫茶店って感じである。さて扉を抜けて入ると、いきなり下りの階段がある。小さい 看板に「順路→」と書いてある。中は薄暗く、ツブれた地方のドライブイン という感じだ。イージリスニング系の妙にさわやかな音楽とアナウンスが流れている。 なんか博物館の概要みたいなもんを説明しているみたい。
 順路に沿って階段を下ると変な柱がある廊下に出た。相変わらず照明は薄暗く 展示効果を狙っているのか、電気代をケチっているのか定かではないが、 「怪しさ効果」の演出に一役買っている事は確かなようだ。当然の事ながら 人は誰もいない。変な柱に近寄ってみると 古代遺跡のようなレリーフみたいなものは刻まれており象形文字みたいなものも 見える。キャプションを読んでみると、この柱はムー大陸の遺跡の一部らしい (しかも本物!)。ほんまかいな?と思いながら廊下の両側を見ると 妙な扉(ごく普通の戸)があった。開けてみると中はタタミ敷きの広い部屋で 布団が積み上げてある。大人数で合宿した形跡があるのだ。 こ、これはもしかして・・・参拝しに来る信者の宿泊所なのであろうか? それとも出家信者の生活の場か?「サティアン」「監禁」「洗脳」 いやな言葉が脳裏をよぎる・・・このまま引き返した方がいいのだろうか?

いにしえの過去に向かって

 しかしここで引き返したら今までの苦労が水の泡である。なんたって「目指せ ピューリッツァ賞!」なのである。緊急事態にはダッシュで脱出できる体制で前進する事に した。部屋を抜けるとフツーの博物館ライクな展示場に入った。ムー大陸以外にも、世界各地の 古代文明の遺跡の一部や碑文、モニュメント等が多数展示されている。説明を読むと全部本物 らしいのだが、見るからにフェイクっぽい。大体インカやエジプト文明等の遺跡の出土品は 大抵国宝級の扱いであり、こんな場末の博物館に置いてある訳ないのだ。でも「ムー大陸博物館」 なのに、なんでインカやエジプト、マヤ文明の遺跡があるんだ?

以下、続く!?


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