遠い日へのヴァリエーションより「 歌ひとつ 」




歌ひとつ        詩  立原 道造

そして 私は だれに
そのあと めぐりあったのだろう?
やさしく 私は よびかけ こたえるように
やわらかな 瞳は 私に ささやいた

知った いくつの おそれと おののきと
私は もう ひとりでは いなかった!
とおって行った たそがればかりの
とおい町々  私の心はうたっていた

来る日々の夢とにおいと 夜々とを
よろこびと かなしみとの しらべで
時は しづかに ながれて過ぎた

そして私は だれに
そのあと 別れたのだろう?
なぐさめも なく あきらめも なく!



 曲は中間部をはさんだサンドイッチ形式的にできています。
中間部は作曲時かなり苦労した記憶があり、
今となってはとてもなつかしく思い出されます。
この詩はサブタイトルに「暗い心の夕ぐれに」とあり私も、立原道造の好きな「夕ぐれの薄ら明かり」を意識して作曲してみました。


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