三声のインヴェンション(シンフォニア)について

シンフォニアという題名はバッハ自身がつけたものですが、
多声部の器楽曲といった意味の他には形式的な意味は無いようです。
二声のインヴェンションと違い、さらに一声部増えることになります。
たった一声部あるかないかの違いではありますが、いざ演奏してみると、
格段の困難さがあります。
ふたつの声部を片手で演奏したり、真ん中の声部を右手と左手の
共同作業によって演奏しなくてはならないことが起こります。
このことから、各指の音楽的な独立性が非常に要求されてくるわけです。

No.1 ハ長調について

たった21小節しかない曲の中に、音階進行のテーマと
その変型されたテーマが21回も登場します。
そういった意味では二声のインヴェンションの1曲目や
平均率クラヴィーア1巻のハ長調フーガと大変に似ていますね。


inventio
(第1曲三連音符を主にした自筆譜)

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