三声のインヴェンション(シンフォニア)について

シンフォニアという題名はバッハ自身がつけたものですが、
多声部の器楽曲といった意味の他には形式的な意味は無いようです。
二声のインヴェンションと違い、さらに一声部増えることになります。
たった一声部あるかないかの違いではありますが、いざ演奏してみると、
格段の困難さがあります。
ふたつの声部を片手で演奏したり、真ん中の声部を右手と左手の
共同作業によって演奏しなくてはならないことが起こります。
このことから、各指の音楽的な独立性が非常に要求されてくるわけです。

No.7 ホ短調について

これがバロック音楽なのかと疑ってみたくなる程、悲哀感の漂う曲です。
チェンバロではなくて現代のピアノで演奏すると、きっとロマン派の音楽に
聞こえるかもしれませんね。
バッハの音楽の持つ表現の豊かさと大きさに打ちのめされるような
そんな気持ちになってしまいます。


inventio
(第1曲三連音符を主にした自筆譜)

前のページに戻る