三声のインヴェンション(シンフォニア)について

シンフォニアという題名はバッハ自身がつけたものですが、
多声部の器楽曲といった意味の他には形式的な意味は無いようです。
二声のインヴェンションと違い、さらに一声部増えることになります。
たった一声部あるかないかの違いではありますが、いざ演奏してみると、
格段の困難さがあります。
ふたつの声部を片手で演奏したり、真ん中の声部を右手と左手の
共同作業によって演奏しなくてはならないことが起こります。
このことから、各指の音楽的な独立性が非常に要求されてくるわけです。

No.14  変ロ長調について

穏やかなイメージのフーガ風作品です。
ただ、演奏は大変難しい曲のひとつですね。
テーマ自体が曲の経過の中ですこしづつ変化して行きます。
三声という狭く制約された空間の中にあまりにも多くのものがあり、
それらをレリーフのように浮き彫りさせることに、とても困難を感じました。


inventio
(第1曲三連音符を主にした自筆譜)

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