HERETIC/1984-88 (Bell Antique 9457) \3,008 全9曲 76:12
1 Excerpts From Interface Part 1 (6:35) (wav) (456K) 2 Excerpts From Interface Part 2 (8:13) (wav) (582K) 3 Excerpts From "El Rayo De Luna" ("月影") (7:04) (wav) (474K) 4 Do Heretick (21:44) a)create (wav) (306K) b)modify structure (wav) (198K) c)quit (wav) (1,002K) 5 Fail Safe Error (11:41) 1.(wav) (720K) 2.(wav) (678K) 6 Anonymous (4:10) (wav) (918K) 7 Tripping On Waves (5:12) (wav) (432K) 8 m*a*f*o*r*o*b*a (2:00) (wav) (642K) 9 Resource (9:00) (wav) (630K)
All composed by HERETIC except 5 by T.Ohta, 6 by Anonymous, 7 by Yozox,Robert,Tohru, 8 by J.Moriyama, 9 by HERETIC,I.Takesako and Chihiro S Heretic: 太田亨:Tohru Ohta (syn,elc-g,drum machine,noise,sequencer) on 1〜7,9 森卓:Suguru Mori (cello,syn,ac-per) on 3〜5,8 浦沢美奈子:Minako Urasawa (voice) on 4,7,8 Robert Lloyd(ac-per,syn-b) on 4,7,9 河原博文:Hiro Kawahara (elc-vil,elc-g,syn,key,sequencer,ac-per, voice,noise,drum machine,tapes,devices,treatment) on All Tracks Guests: 山本要三:Yozox (elc-g) on 7 富家大器:Taiqui Tomiie (simmons elc-per) on 4(b) 竹内一弥:Kazuya Takeuchi (ac-g,elc-g) on 6 増山育男:Ikuo Masuyama (vocals) on 6 金井浩:Rose (first solo g) on 4(c) 森山潤:Jun Moriyama (ac-p) on 8 池内みずゑ:Duppi (voice) on 5 竹迫一郎:Ichirou Takesako (ds) on 9 斉藤千尋:Chihiro S (elc-b) on 9 1〜3 Recorded & Mixed at "Sound Of Poppy" studio,Kyoto, August 1984 4〜8 Recorded & Mixed at "Sound Of Poppy" studio,Kyoto, and atelier Infortecture,Kyoto . between April 1986 to February 1988 9 Recorded studio live in Tokyo , 3/20/1988 Produced by HERETIC for Infortecture Executive Produced by Naohiro Yamazaki
CDライナー解説
(初めに)
この度、Bell Antiqueより、私のグループ、Hereticの作品が再発となり、解 説も担当となりましたので、当時を思い出しつつ、コメントしていきたいと思います。
Hereticを結成する迄、私はOsirisという名前で、多重録音による作品発表を行って いました。(ディスコグラフィー参照)当時、ライヴ活動の時、Astral Temp el名義で活動し、又、並行してその頃知り合った、Ain Sophの山本要三氏(以降Yoz oxと記述)とDr.Jekyll&Mr.Hydeとしてもセッションを行っていました。(そ の頃のレビューは、マーキー誌Vol.11に載っています。)
そして、丁度10年前の1984年にHereticは、太田君と、私の高校からの友人の森君、 そして私の三人でスタートした訳です。Hereticの1stを発表後、Robert と美奈ちゃんが参加してくれて、現在に至っています。(中には、Hereticって解散したと 思っているメンバーもいる様ですが。)
(曲目解説)
1〜3は、自主制作として85年に発表した、1stLP「Interface」の3曲を各々抜 粋して収録しました。収録時間の都合上かなりのパートが割愛されています。ミュージック・マガ シン誌上で、竹田賢一氏が1stを絶賛して下さったのも、トータル・アルバムとしての視点から なので、今回の抜粋は非常に残念ではあります。やはり、オリジナルな形で1stも発表したいと 思っています。
1「Interface Part1」は、ギターとドラム・マシーンのプログラミングが太田君 、それ以外の楽器を私が担当しています。
2「Interface Part2」:この抜粋バージョンに関しては、1と同じく二人だけの 演奏。1stの録音の2ケ月前(84年6月)に、偶然知り合った太田君と意気投合して、それか ら連日の様にリハーサルしていたのが、この二曲でした。当時のリハーサル・テープを聴き返すと 、徐々に曲が洗練されていくのが判ります。録音は8月一杯かけて行われ、月末に関西楽器の コンソール・ルームでミックス・ダウンを、丸一日休憩なしで行った記憶があります。
当CDに収録されている曲は全て、レコーダーがFostex A−8という8trレコーダーを 使っていたのですが、この1stのトラック・ダウンが非常に難しかったのを良く憶えています。 (tr不足の為、同じtrにギター・ソロとキーボード・パートやサウンド・エフェクトなどが混 在していた。)結局、そのマスターは、バランスが悪かった為、没。
「Interface」の初演は、83年8月山本要三氏(g)、出口由紀子(key)、私(k ey)の三人で、とあるパーティーにて行われました。
3「月影」:この曲は元々、Osiris時代の曲で、「月影1」「月影2」のカセット作品の中 からの抜粋で、構成されています。Fools’ Mate Vol.18に「月影1」のレビュ ーが載っています。
1st録音時の使用キーボードは、Yamaha CS−50、Roland Vocoder+ 、RS−09、System100M、Korg MS−20+シーケンサー。
4〜8が、2ndLP「Escape Sequence」からの全曲で、当CDと同じくBelle Antiqueより、’88年にリリースされました。
この2ndについて、私の音楽方法論に絡めた拙文が、マーキー誌Vol.28に載っています。
4「Do Heretick」は、1stを録音した翌年に、私が作った曲で、元々は舞*の為の 音楽でした。この曲はライヴの度に、演奏されています。デジタル・ディレイ、コーラス・ユニッ ト、及びアナログ・ディレイを組み合わせた、フリッパートロニクスのHeretic版とでも云 えば良いのでしょうか? 基本となる音は、全てエレクトリック・ギターです。特にパート2では 、ピッチ・チェンジャー、サンプリング・ディレイ、ギター・シンセサイザー、ワウワウ、アナロ グ・ディレイといったデバイスを駆使する、ギター演奏の可能性を考える曲だったと思います。
全編に、サブリミナル処理も含むテープ・コラージュを利用し、テープ・レコーダーとギター・サ ウンドの可能性を最大限応用した曲だと、自負しております。Fool’s Mate誌は、この 曲を「インダストリアル・シンフォニックとでも言うべき秘教的な空間が創出される」と紹介しま した。(FM Vol.86) 又この曲の良き理解者であるマーキー誌の賀川さんは、マーキー27号で、「 変幻自在に変化する、各種継続音にギター、パーカッション、ヴォイス等が効果的に絡み、曲は徐 々に変化していく。シンプルなサウンドは、遂には音の洪水となり聴く者を呑み込んでいく。そし て、全ては怒涛のように押し寄せる音の塊に覆いつくされてしまう。そのドラマチックな展開は正 にHereticの面目躍如といった感がある。」と評して下さいました。
現Ain Sophのドラマー、富家大器とRose BandのRoseも、この曲に参加して くれています。
5「Fail Safe Error」は、太田君の曲で、映画eail Safe>>の仮想サ ウンド・トラックとして、危機感溢れる曲想となっています。この曲は3回、録音し直した様に思 います(アレンジ、録音状態の不良の為)。
Korg Poly800、Poly6、Yamaha DX−7、RX−11といった楽器を、 初めてMIDI/同期演奏させたのが、この曲です。私もデジタル・ディレイ、アナログ・ディレ イ、ワウワウを駆使したギター・ソロで弾きまくっています。今じゃ弾けないよな。
Duppiが、エキセントリックなヴォイスで参加。
6「Anonymous」:名古屋のAnonymousの1stカセットからのアレンジ曲で、 原題は「吟遊詩人の歌」。Anonymousのメンバー二人が、ギターとヴォーカルを自ら演奏し てくれました。太田君がサンプラー、リズム・マシーンを担当。Anonymousは、現在も竹 内氏一人で頑張っています。
7「Tripping On Waves」は、Yozoxが作曲とギターを担当した、テープ上 のセッション・テイクです。実は連絡の手違いで、彼は違う曲のアレンジを、スタジオ入りする前 日迄考えてくれていて、結局、完徹状態で来てもらった記憶があります。ポリリズムを全面に押し 出した、Yozoxらしいアレンジで、非常にスリリングかつビート感のある曲想に仕上げてもら いました。プログレの三要素「暗い、重い、長い」を無視したオシャレな曲になっていると思いま せんか?
Per系にリバース・ゲート、ゲート・リバーブ等の処理を施して、NY系の音に近づけています。
8「m・a・f・o・r・o・b・a」:森君の実弟による、ピアノ・ソロに音響処理を施し、夢 の中を彷徨う様なイメージに仕上げてみました。
2nd録音時の使用キーボードは、Yamaha DX−7、Korg Poly800、Pol y6、MS−20、DSS−1。
9「Resource」(未発表曲):Heretic唯一の、東京 ライヴの翌日に行われたスタジオ・セッションです。この時8trレコーダーを回しっぱなしにし てもらって、延々とジャム・セッションを繰り広げました。セッションに参加したのは太田君、Robertと私、Anonymousの竹内氏、Golden Avant Garde及び、L acrymosaのChihiro S氏と長沼武司氏、Robertの友人で、当時中森明菜の バックを担当していたVictorWellsの7人。
で、スタジオ使用予定時間終了直前に、Noaの竹迫氏が来てくれてすぐに、セッションしたのが この曲です。
Chihiro S氏は、前日のライヴにもベースで参加してもらい、色々と無理を聞いてもらい ました。ステージでの彼からは、想像出来ない人柄の良い人であります。今春Lacrymosa の2ndが発表されますが、関西でも是非ライヴをやって欲しいですね。
竹迫氏は、Noaのリーダーで、元Aquapolisのメンバーだった人。元々関西の人だった みたいですね。
いずれにしても時間の関係で、この一曲しか演奏出来なかったのが残念。Chihiro氏共々、 いつか又セッションしたいと思います。
(現在)
太田君は、Hereticの1st発表後、Fromageにギタリストとして参加。Belle Antiqueより、「Ophelia」を発表。その頃から富家君のグループ、Bellap honのメンバーとしてもライヴ活動を行うなど、精力的な音楽活動を続けたが、現在は小休止状 態?
RobertはHeretic2nd参加後、’88年よりツトム・ヤマシタの公演に出演する様 になり、昨年、念願のリーダー・アルバム、Lakshmiの1st「MusicBazaar」 をリリースしています。彼のグループは、民族音楽色の濃いアコースティック・サウンドで、イン ター・プレイを繰り広げています。
私の方は、1991年頃から、「弥生幻想」というMIDIを駆使した作品を作曲しています。こ の曲は、Macintosh上で動作する、MIDI処理プログラム、MAXを利用しています。 私にとって、作曲行為そのものの意味が、MAXと出会った事により、変わってしまって、MAX のプログラムを作成する事が、作曲行為となっています。つまり、リアルタイムにプログラムと会 話して、即興演奏を行うというパフォーマンス形態となる為、CDだけの作品発表では、私の表現 行為が伝わらなくなってしまいました。このCDでは実現出来ませんでしたが、私の考える作品発 表として、メディアはCDを利用しますが、プログラムナンバー1には、Macintoshフォ ーマットのデータ(Quick Time Movie及びMAXの私のプログラム等)を書き込 み、プログラムナンバー2以降を、通常の音楽CDのフォーマットにするというアイディアを考え ています。Quick Time Movieが読めるコンピュータは、Macintosh及び IBM系のWindowsシステムなので、上記のパソコンがあれば、パソコン上で、私の演奏行 為の動画が見れる事になります。ビテオ・テープというメディアを利用せず、音楽用CDの中に、 映像データが含まれるというのは、非常に興味深い事だと思いませんか?私は、こういったメディ ア・ミックス的な方法論がマルチ・メディアであると考えています。
現時点での私の機材も紹介しておきます。キーボード&音源 Korg DSS-1×2,DSM-1,M3R Roland U-110,R-8M Oberheim Matrix-1000,DPX-1 E-Mu Vintage Keys Yamaha RX-11 Roland TD-7 and Pads エフェクター Roland DIMENTION D Yamaha SPX90,SPX50D Korg SDD-1000 BBE 462 Behringer EX-1,EX-3100 ZOOM 9150 Lexicon Jam Man テープ・レコーダー Fostex E-16(16tr) Victor XD-Z505(DAT) TEAC A-6100 mkII(2tr/38) PC−98のソフトウェア Come On Music RCM-PC98 ImagineII(DSS-1,DSM-1用) コンソール TASCAM M-224 BOSS BX-16 Macintoshのソフトウェア M,MAX,Music Mouse,Jam Factory,Up Beat,Oval Tune,Hyper MIDI,HookUp!, Cybernetic Composer,Band In A Box,MiBAC,Master TrackPro5,Performer, Vision,Alchemy,Sound Designer,etc........ (最後に) 解説を読んでいるあなたが、私達の作品を気に入って下さる事を願って、 ペンを置きます。
このCDを聴かれて、Hereticに興味を持たれた方は、是非ご連絡下さい。
又、MIDIやコンピュータ・ミュージックに関してのお問い合わせにも応じますので、 プレイヤーの方もどうぞ。 余談ながら、太田君と私の愛聴盤の記事がマーキーVol.29特別号"私の愛聴盤"に 載っています。私達の音楽嗜好が判ると思います。(Discography)
OSIRIS
Journey To New World('79)* A Midsummer Night's Dream('79)* Osiris Mythology('79)* Astral Temple('80)* Rhapsody For You('80)* The Restration Of Soul('80)* In and Out('80)* In The Mist Of Time('80)(LP) (Fool's Mateのディトリビューション) El Rayo De Luna I('81)* El Rayo De Luna II('81)* A Failed Play('82)* Echo Troublant('82)*
ASTRAL TEMPLE
Shadow Illusion('81)* Vista Under Arc Light('82)* 100% Odd Lots Session('82)*
DR.JEKYLL and MR.HYDE
Dr.Jekyll and Mr.Hyde 1('81)* Dr.Jekyll and Mr.Hyde 2('82)* Dr.Jekyll and Mr.Hyde 3('82)* Dr.Jekyll and Mr.Hyde 4('82)*
HERETIC
Interface('85)(LP : SOUND OF POPPY JHWH-1002) Escape Sequence('88)(LP : Belle Antique 8807) 1984-88('94)(CD : Belle Antique 9457) Past In Future('96)(CD-R : No Number,exclusivly for press) 弥生幻想(Yayoi Dream)('96)(CD : Belle Antique 96302) Drugging For M('97)(CD : Belle Antique 97350) *(LP、CD表記以外はカセット作品として発表。) (Live Date)'85年 3月 3日:同志社大学,京都;太田,森,河原 '85年11月 4日:立命館大学,京都;太田,Robert,河原 '86年 6月22日:立命館大学,京都;太田,浦沢,河原 '87年 9月14日:Egg Plant,大阪;DUPPI,太田,森,河原 '88年 3月19日:Live Station,東京;太田,Robert,河原,竹内,Chihiro S
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雑誌レビュー:
後期クリムゾンやエルドン的な音を出す、日本では特異なところに 位置する、アヴァンギャルド・シンフォニック・ロック・バンド。 本CDは、’84〜’88年の間の彼等の作品からのベスト・テイクスを集めたもの。 ラクリモーザのチヒロ・Sと伝説のアクアポリスのドラマー、竹迫一郎という貴重なセッション・ テイクも収録。シンフォニック・ロックとエルドンの音楽性との 中間に位置するようなヘレティックの独特なサウンド・ポリシーは、数多くのシンフォニック・ ロック作品があふれている今でも、きっと新鮮に響くことでしょう。
河原博文氏のユニットであるヘレティックは、エレクトロニクス/コンピュータに精通した氏が自ら の理論を実践していく場であった。
’85年の”Interface”に続く2ndアルバムが本作 (’88年)である。リシャール・ピナスやロバート・フリップが好きであることを公言しているゆ えにヘレティック=エルドン、というイメージがつきまとうのは否定できないが、音楽性は全く別 物。テクノロジカルな側面とアヴァンギャルド、ポップ、シンフォニック(!?)といった多様な側 面を必要に応じたフォーマットで展開していく非常にユニークな作品に仕上がっている。異様なテン ションを生み出す組曲”Do Heretick”を先頭に、音の臨床実験が進行していく。深いと ころでテクノロジーと対峙した成果である本作、及びヘレティックというユニットは今こそ再評価さ れるべきだ。本作もCD化の際に一曲未発表曲が追加される予定。
ラクリモーザの ChihiroS.氏が参加した後期クリムゾン風の曲とのことで、これは興味深い。加えて1st アルバムからも何曲か抜粋して収録される。
(マーキー誌)
1994年3月25日発売 全9曲/76’12
1)−3)は、85年発表の1stLP「INTERFACE」中の3曲を各々抜粋して収録されて いる。計22’01。1)2)は河原&太田のデュオでg/syn/ds−machineによるも の。あえて例えれば80年前後の独SKYレーベルあたりと通底している「シリアスさの薄いエレク トロニクス・ミュージック」。3)では、森のcelloが大らかに絡まり、初期WAPASSOU さえ連想させる。...というわけで、タイトルからHELDONあたりをイメージすると裏切られる。
4)−8)が本作の中心。88年発表2nd「ESCAPE SEQUENCE」全曲を収録し計 45’05。メンバーは1stの3人にRobbin(per)と浦沢美奈子(vo)が加わり曲毎 のゲストも計7人を数える。4)は21’44の大曲’DO HERETICK’。3部構成となっ ており、パート1は河原曰く「フリッパートロニクスのHERETIC版」に導かれ、無気味なe− g/vo/vln/celloの現代音楽的コラージュ。パート2はsyn/gによる、エレクトロ ニクス全開のアヴァンギャルドな展開。一転静寂に戻ってのパート3はHOLST/CRIMSON の「火星」を思わせるリズムに、シンフォニックなsynとフリップ・トーンのリード・ギターが暗く響く。
5)は、「映画’FAIL SAFE’の仮想サウンド・トラック」とのこと。打ち込みリズムと複 数poly−synのアンサンブルは軽快で、B級SF映画のワクワクする雰囲気が良く出て楽しい 。以降は、小曲が続き、6)は静かなヴォーカルナンバー、7)は山本要三が作曲とgで参加し YMO的スマートなリズムにギター・アンサンブルがスパッと決まった佳品。8)はac−p/ synによるファンタジア。
以上、バラエティに富んだ完成度の高い内容であった。
ラストの未発表ボーナス’Resource’(9’00)は、NOAの竹迫一郎(ds)、 LACRYMOSAの斎藤千尋(b)を加えた88年のスタジオセッションで、未発表曲。河原・太 田のg 、Robbinがperを演奏する5人編成で、後期CRIMSON/美狂乱を直接的に連想させる インプロヴィゼーションが展開される。斎藤のベースが淡々としたリズムキープに徹しているのが奇 異だが、他のメンバーは相当キテおり、一聴の価値はある。
(Rotters’ Paper# 20:登美隆之氏)
補足訂正:
1st LP「INTERFACE」抜粋収録部分について「タイトルからHELDONあたりをイメージ すると裏切られる」と記しました。その後、遅ればせながら「INTERFACE」全曲を聴く機会 があったのですが、重々しい導入部やPinhasを思わせるギター・フレーズ部分などがCD収録 時には大幅にカットされています。全曲を聴くとかなり印象は異なります。ただ、味わいとして、 HELDONというよりは、Pinhasの初期のソロの方に近い様に思われますが。又、 2ndLPで発表されCD収録は4)の’DO HERETICK’について、「パート2はsyn /gによる」と記しましたが、シモンズドラム以外は全てギターでシンセは使用していないとのこ と。御指摘及び「INTERFACE」全曲を聴く機会を提供して頂いた河原博文氏に感謝します。
(Rotters’ Paper#21:登美隆之氏)
Heretic
"1984-88"(1994)
本作は、85年の1stアルバム"Interface"からの数曲 (#1-3) と88年の "Escape Sequence"の全曲 (#4-8) と未発表曲#9を納めた アルバムになっている。 そういった訳で、アルバムそのもののまとまりは感じられないが、プログレファンならどこかしら 気に入るような音になっている。 "Interface"からの最初の3曲はもともとがトータルアルバムだったらしく、 ダイジェストになっているのが残念。 アルバムタイトルはHELDON から採られているようだが私は HELDON は聴いたことがない。 基本的にインストのエレクトロニクス系のサウンドで、ジャーマン的メディテーショナルな雰囲気を 携えながらもシンフォニックで、日本の多 くのバンドに見られるようなファンタジックな甘さがないのが 良い。叶ことなら通して聴きたくなる。 なお、詳しい解説はライナーとMarquee011 pp36-37にある。 続く、"Escape Sequence" からの曲の方法論はMarquee028 p9 に述べられ ている。#4 の Do Heritick が名曲。音の圧力による恍惚感になんとも言えず浸 っているうちに、微妙な変化による疾走感が加わり、いわゆる出口の見えない 不安感ではなく、 出口は常に見えていて安心感がありながらもそれが蜃気楼のように逃げていき、それをつい追って しまう楽しさがある。#5も#4と双璧をな す名曲。全ての崩壊的な音の羅列に計算の後が窺える。 後から後から押し寄せてくる怒濤の危機感、#6が始まると本当にほっとする程、駆り立てるような音 の洪水。"Escape Sequence" 部分は「音楽建築論」と題した 方法論によるものら しいが、それを考えるとアルバムジャケットのフィッシャー(?:エッシャー) の永久機関の図 がなかなか意味深に思える。パウル・シェーアバルトの名作「永久機関」のよ うに、音世界の永遠性を追求しながらも、熱力学の法則の如く立ちはだかる固 定されることを拒否する 音の即時性との格闘を表しているようにも思える。 詳しいレビューと今後の発売予定はHereticのホームページを参照して下さい。 サンプルサウンドも聴くことができます。
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