I n d e x
Richard Pinhasについて Allez Teia Agneta Nilsson
Un Reve Sans.... Interface Stand By
Rhizosphere Chronolyse East West
L'Ethique DWW
CD解説の補足
Interface 日本盤CD解説 Un Reve Sans 日本盤CD解説 Chronolyse 日本盤CD解説

ヨーロッパ・エレクトロニクス・ヴァイオレンス・ロックの追求者
Richard Pinhas
河原博文
(HERETICリ−ダ−、OPCODE社マッキントッシュ用MIDIソフトウェ ア MAXデベロッパ−)

結論から先に云うと、ピナスが方法論として用いたシンセサイザ−とヘヴィ・ロックの融合という、KingCrimsonとは違ったアプローチで制作された、"Un Reve Sans Consequence Speciale"、"Interface"、"Stand By"、"Chronolyse"、"Iceland"の5作品は世界中を見 回してみても、トップ・ランクの作品と評価出来る。個人的には、"Interface"、"Stand By"、 "Iceland"が気に入っている。
さて、ハードの側面からHELDONの演奏を考えてみたい。MIDIが登場した年が、1984年。 同年にアップル社のパ−ソナル・コンピュ−タである、初代マッキントッシュが発売されている。
よって上記HELDON関連の最重要作品が発表された1976年〜1979年に使用されたシ−ケンサ−は 、MOOG社のアナログ・シーケンサーであろうと推測される。
1980年のピ ナスのインタビューで 「アップル・コンピュータを使用している。」と言っているパソコンはAPPLE 2又はLISAなので シーケンサーとして使用していたとは考えられない。
因みに"East West"(1980年) のアルバムに クレジットされている、E−Mu社のコンピュータは77年発表のシーケンサ ー内蔵のキーボードの 事と思われる。
アナログ・シーケンサーでコントロールされた音列とアナログ・シンセ然とし た音色にポリリズムの リズム・セクションが絡み、おまけに極度にフリップドナイズされたギターが 絡んで重厚な音世界を 提示するという音楽は、KingCrimsonの"Fracture"にエレクトロニク スがミックスされ、 より現代性を表現している様で、RobertFrippのソロ・アルバム "Exposure"(1979年)と 比較すると、どちらがその当時で先進的だったのか興味深いかもしれない。
個 人的には、ピナスの 感性の方が過激に聴こえるがどうだろうか?
デジタル・シンセ主流の現時点で、当時のピナスのシンセサイザーの音色を聴 くとアナログ・シンセ 特有の色々なサンプルが聴けて興味深い。
リアル・タイムにVCFを変化させ て音色を変化させる 方法は現時点のデジタル・シンセ音源では、コントロール不可能な事や、デジ タル・シンセより 音圧感が厚いという理由で、アナログ・シンセが現在、キーボード中古市場で 高値で取引されている。
因みに当時のピナスが使用していたMOOG社SYSTEM55は当時の日本円で60 0万円、メロトロン 400Sが、90万円であった。
又、ピナスのエフェクターの使用法で特に気がついた事は、フランジャーの多 用である。
TangerineDream、KlausSchulze等のジャーマン・ ロック勢が好んで リバーブを利用し、内にはリバーブだけで発振させることもあったが、ピナス はリバーブに関しては 故意にか、過激な使い方はしなかった。非常に音が金属的になるフランジャー を多用したのも、 彼の云う「金属的な時間の統合を実戦する」一つの手段だったのやも知れない。

次に上記5作品が追従者を許さない作品に仕上がったのは、Drums奏者の Francois Augerの才能 に負っている所が大であるのもさること乍ら、録音関係者(Roger Roche、Phil Ross)の貢献が あった事が今迄指摘されなかったのは、片手落ちである。特に"Stand By"では録 音の良さが曲想を より印象深くしている。
上記5作品以外の、とくにピナスのソロ・アルバムはシンセサイザーだけの作 品が多くシンセの音色 、曲内容共に面白味がない為、評価できない。
又HELDON初期の作品群も Fripp&Enoを 冗漫にした感じでよろしくない。
1979年以降の作品のボルテージの低さと 活動停止には、後述の ピナスの発言に自分で背いている様で非常に残念である。確かにVangel isも、85年の "Mask"から88年の"Direct"までブランクがあり、その背景にMIDI楽器の使 いこなし等の問題 があったと推察される。
私もそうだが、アナログ・シンセに馴れていた者にと って、デジタル・シンセ の音作りは非常に難しいものであった。やっと最近になってアナログ・シンセ 的なユーザー・ インターフェースを持つシンセが発表されている様な現状である。又、初期の MIDI楽器はMIDI データの大量受信によりオーバー・フローを起こし易かった(使いものになら なかった)。という 理由もある。
ピナスだけの問題ではなく、全てのエレクトロニクス・プレーヤーにとって、 現在そういったハード 面の使いこなしも含めて、オリジナリティのある作品を制作するのが色々な意 味で非常に難しく なっている。一つの解決の糸口としてAPPLE社パーソナル・コンピュータ MACHINTOSH上で動作する 数々の人工作曲ツール"M"、"Music Mouse"、"MAX"、"Oval Tune "、"Jam Factory"、 "UpBeat"、 "Band In A Box"、"MIBAC"等が私は指摘しておきたい。
人工知能を応用した、「パ ソコンが一人の 作曲者」となりうるソフトウェアを私も使いだしている。
こういった刺激的な ソフトを応用すれば 非常に面白い作品が仕上がると確信しているし、ピナスもそういったソフトの 研究を行っているの やも知れない。
又、上記ソフトウェアの紹介記事を当誌で掲載出来るかもしれないので、楽し みにしてほしい。

視点をライヴ・パフォーマンスに移すと、彼らのLive Tapeが3本、手許にあり その内容を評価 してみたい。

"Paris/1975年6月26日"演奏曲名不明
"Paris/1981年4月27日"主要演奏曲(Belfast、The Western Wail、Iceland、Greenland、 Stand By、Interface等)
"London/1982年5月5日"主要演奏曲(The Westarn Wail、Dedicate to K.C.、Interface みたいな未発表曲等)

1975年のライヴは、ピナスのギター・ソロを大々的にフィーチャーした、 初期HELDONの 音であり、Fripp&Eno冗漫cmした曲が多く、ギター・ソロもそれほどフリップ ドナイズされた ものではない。
1981年のライヴでは、オープニングがFripp&Eno`ックな 曲でそこで聴かれる ギター・ソロがレコードでも聴けない様なベスト・アクトのフリップドナイズ・ ギターである。
1981年、82年のライヴに共通して云えるのが、予想以上にレコードの演 奏を忠実に守っている 点である。唯一残念なのは、Drums奏者がレコードで聴かれる様な精致な ドラミングを展開して いない事だろうか。
又、ヴォイスにディレイをかけたサウンド・エフェクトを 多用して、音の薄さを カバーしようとしているが、レコードの演奏内容程度の緊張感を出していない。
とは云え、一度は 実際のライヴ・アクトを見てみたい内容であった。
「HELDONの音楽をスペース・ミュージックと言われるのは、大嫌いだ。 HELDONの音楽には、 何か暴力的なもの、サウンド・ゲリラ的なものがあると考えている。音楽に於 て、他の人が既に やってしまった何かをやるという事はあまり重要な事ではない。何かを繰り返 すよりは、新しい事 をやって失敗する方がましだ。もし君が何かを繰り返せば、社会秩序を擁護す る事になる。しかし、 もし新しい何かをするとしたら、たとえ革命的とまではいわなくても、それは、 変革を意味する。 例え、1ミリづつでも君は現実の異力を委任することになる。」(Richa rdPinhas)

(注)MIDI:Musical Instrument Digital Interfaceの略称。
音楽の演奏データ等 を異なる メーカーの楽器、及びコンピュータで通信させる取り決め。 VCF:Voltage Controlled Filterの略称。制御電圧に加える直流電圧の大きさに より、特性の 変化するフィルター。 アナログ・シンセ、デジタル・シンセ:VCOなどで作った電圧の波をフィル ターなどで加工して音 を作るのが、アナログ・シンセサイザー。コンピータで音の波形を合成し最後 に電圧の波に変換 (D/A変換)するのがデジタル・シンセサイザー。

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Heldon2 Allez Teia (1974)
その昔、フランスのFripp&Enoとして良く売れた初期の代表作である が、冗漫な印象の Fripp&Enoといったところか。RobertFrippのFripp ertronics のソロ作品のテイストにメロトロンが流れている音を連想してもらえれば良い と思う。 一部でシーケンサーの繰り返し音の実験も行っている。"In The Wake Of King Fripp"という A−1のタイトルや、A−3がFripp&Enoに捧げるなどという話題性 があるだけでマニア 向け以外の何物でもない。

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Heldon4 Agneta Nilsson (1976)
シーケンサー・リズムによるHELDONスタイルの方向性が見えてきた過度期の 作品。 作品内容としては、冗漫で、シーケンサーの実験を相変わらず行っており、 Fripp&Enoフマネを まだしているので、説得力に欠ける。全面的にドラム+ベースのリズム・セク ションが入って欲 しい内容である。個人的には一部、シーケンサーのリフと音色が気に入った箇 所はあったが.....。 HELDONマニアで、中古盤で見つけたら買えば良い程度の内容だろう。

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Heldon5 Un Reve Sans Consequence Speciale (1976)
本作より、F・Augerが参加したHELDON最盛期最初の作品。録音そのものも本 作から良くなって いる。シーケンサー・リズムとインター・プレイを行うF・Augerのドラミング が冒頭より、リスナー を引きずり込んでしまう。A−2はたかみひろし氏の言われる通り、J・Muirの ソロみたい。B−2が フリップドナイズされたギター共々、非常にスリリング。 A−1のLive Versionがベスト盤"Perspective"に収録されている。 USA盤(Inner City レーベル)では、"A Dream Without Reason"というタイトルに なっていた模様。

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Heldon6 Interface (1977)
F・Augerのアイディア、テクニックが随所に反映された、HELDONファン必携 の最高作品。 F・Augerが「シンセサイザー・リズムと共演できる、唯一のドラマー」という形 容詞を、まざまざと 見せつけて(聴かせて)くれる。やはりB面全面を使ったタイトル曲が白眉の 出来である。 HELDONの黄金トリオ(F・Auger、R・Pinhas、P・Gauthier)がシーケンサーのリズム に乗せて インタープレイを行い、最後まで一気に聴かせてくれる。 但しPinhasのギターはそれ程雰囲気が良いとは思われないが。 Live Versionがベスト盤"Perspective"に収録。

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Heldon7 Stand By (1978)
A-1は、曲構成が起伏に富み、voiceの導入で今迄以上に説得力が増している。 今迄の実験が見事に 花開いたエレクトロニクス作品となっている。但し後半はセッション風で今一 つ説得力がない。 B-2は非常にリズミカルな面白い曲構成になっており、演奏力の高さも特筆もの。 B−2は後期クリムゾン+エレクトロニクスの路線で、"Interface"と共に、 HELDONの最高曲と 呼んでもよいだろう。但しギター・ソロが所々ハード・ロックかぶれしていて 全体のバランスを 崩している。全作同様、F・Auger無くしては出来なかった名盤!!
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Richard Pinhas Rhizosphere (1977)
A面は全体的に、シンセ音の繰り返しで、こけおどし的な音の羅列に過ぎない。 77年という年を 考えても斬新な音作りとは言えない。又一曲ずつの時間が長い事もあり、はっ きり言って駄作である 。但し、B面に関しては"Interface"の布石というべき、シーケンサーの繰り返し に、Fransois Auger がDrumsでインタープレイを行うという点から、一聴の価値はある。ギター・ ソロが入っていない分、 やはり冗漫に聴こえる。憶測ではあるが録音機材のトラック不足の為、ギター・ パートを断念したの ではないかと想像する。

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Richard Pinhas Chronolyse (1976)
A面は相変わらず、シンセサイザーのみの繰り返し音に終始している。Tangerine Dreamとは違った シンセサイザー・リズムを探求していたものと思われるが、駄作である。それ に反してB面は非常に 完成度の高いバンド形式のインプロヴァイゼーションが、30分弱展開される。 (Drums:Francois Auger、Bass:Didier Batard、Guitar、Mellotron、Synthesizer:Richard Pinhas) 緊張感の高い内容で、小説「Dune」の仮想サントラと思われる。メロトロン演 奏についても、 HELDON関連の作品中最も後期クリムゾンに近い雰囲気でお奨め。

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Richard Pinhas East West (1980)
参加メンバーの顔振れは凄いが、ボーカル(ヴォイスじゃない)入り、D・ボ ウイーのカバー、 テクノ路線と最低の作品。他のHELDON作品を聴いてからなら、この作品 をもっていてもよい(訳ないか)。
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Richard Pinhas L'Ethique (1982)
全体的にリズムが明快で、こけおどしの音も余り無く、解りやすい音楽となっ ている。 A−1、2、B−2、4がベスト盤(Perspective)に収録。個人的にはA−1、2 が結構好きだが...。 "East West"よりは、ましな作品。

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Richard Pinhas DWW (1992)
砂漠現象とでも云う意味のタイトルは、Pinhasの師匠であるジル・ドゥールーズへ 捧げられている。 1,8,10が92年版のIcelandで、それ以外は、East-West以下の駄作。3,5,7,9は、 East-Westの"Beautiful May"の様な、優雅なシンセ・ミュージック(+ストリング・カルテット)。2,4はテクノ・ポップ。 6は前半がP.Gauthier色の軽いJazz-Rock、後半は往年のHELDONみたいだが、い かんせんリズム・セクション の緊張感がない。F.Augerの脱退は大きかった様だ。1,8,10については、サンプラー の使用によるティンパニー、 チューブラー・ベルズ、デジタル・シンセ然とした音から近未来的なイメージが想起される。オリジ ナルの"Iceland"のファンの 人は一聴の価値あり。92年という年を考えると、アルバム全体的にコンセプト、音作り が古過ぎており、 シーケンサーも相変わらずMoogのアナログ・シーケンサーによるピコピコ音である。MIDIは殆ど 使われていないと 思われる。 East-West、Iceland、L'ethiqueのアウト・テイク集と考えたい。 これがPinhasの新作なら、彼は死んでいる!!

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HELDON/Interface King Record CD解説

HELDONはギターやドラムスに重要性を持たせた事で、他のエレクトロニク ス・グループとは 別格的な存在となった。(仏BEST誌)

HELDONの諸作品について

現在迄に発表されているHELDON(注1)、及びリーダーであるRichard Pinhas(注 2)のソロ作品の ディスコグラフィーを下に挙げる。

Heldon名義

Electronique Guerilla ('74)
Allez-Teia ('75)
It's always Rock'n Roll (W-LP '75)
Agneta Nilsson ('76)
Un Reve Sans Consequence Speciale ('76)
Interface (本作 '76)
Stand By ('79)
Perspective (W-LPベスト盤 '84)
Soutier a la RAF (シングル盤 '75)
Perspective 1 bis complement (シングル盤 '75)

Richard Pinhas名義

Rhizoshere ('77)
Chronolyse ('78)
Iceland ('80)
East West ('80)
L'ethique ('82)
DWW ('92)
Telstar (シングル盤 '78)
Beautiful May (シングル盤 '80)
West Side (シングル盤 '81)

Schizo名義(HELDONの前進バンド)

Schizo and the little girl (シングル盤 '72)
Le Voyageur (シングル盤 '72)

Richard Pinhasゲスト参加(プロデュース含む)

Lard Free / In around midnight ('75)
Alain Renaud / Renaud ('75)
Fluence / Fluence ('76)
Ose / Adonia ('78)
Jean Phillipe Goude / Drones ('80)
Patrick Gauthier / Bebe Gozilla ('81)
Video Listzt / Ektakrom Killer ('81)
Tago Mago (カセット・アルバム)
etc............................

HELDONの歴史及び各アルバムの詳しい説明は、同時発売の"STAND BY"の解説 及び、MAQUEE誌 Vol 41を参照されたい。MAQUEE誌の方には、私のHELDON論も掲載されてい るので、御一読頂 ければ有り難い。

RICHARD Pinhasが語るHELDONについて

以前数冊の音楽雑誌に掲載された(注3)、Richard Pinhasのインタビューを一つに まとめてみた。
Richard Pinhasが何を考えて、HELDONというグループを率いていたかが伝われ ば幸いである。

私を探索者などと呼ぶのは正当ではないね。私は単に、いくつかの領域、私の 在る場所をさらして いるに過ぎず、重要な事は、それらを感覚的に表現する為に、テクノロジーと シンセサイザーを用 いている事だろう。シンセサイザーは、基準となる音を持つ事は無い。むしろ 精神の楽器だ。 そしてシンセサイザーの興味深い点は、別の角度から音楽にアプローチし、全 く新しいものを クリエイトする試みが出来る点だ。シンセサイザー無しでは私は有り得ない。 特に大型のMOOG シンセサイザーなどは、ライフ・ボディであり、心や感覚、そしてそれ以上の ものが表現出来る。 とにかく他の楽器と比べて人間との関係が特殊だし、この表現方法は積極的で 革新的である。 HELDON1について、人々はよく言ったものだ。「ほら!新しいシンセサ イザーの使い方を している。」と。そんな事を私は求めてはいない。又、HELDONの音楽をスペ ース・ミュージック と云われるのも大嫌いだ。私としては、HELDONの音楽は何か暴力的なもの、 サウンド・ゲリラ的 なものとして表現している。
音楽をプレイする時、理論はなるたけ潜在的な力として利用しようと努めてい る。作曲の際に 「さぁ理論的にやろう」なんて思わないさ。最も大事な事は、私がロック・ミ ュージシャンである 事だ。ギタリストといった方がいいかな。シンセサイザーはよく利用する が・・・・・・。実際に演奏は そんなにしないが、構想を練り上げるのに利用する。
今日、ロックを離れたどの音楽も重要であるとは思われない。古典的な音楽に 於ける最後の偉大な 創造者はMESSIAENだと思う。1940年か50年代が最後だ。今は遥かに FRIPP&ENOフ重要性 を買いたい。自国フランスの音楽に限って云えば、RAVELとDEBUSSY以降フ ランスのオリジナルな 音楽は存在しない。しかし、MAGMAは別だ。そして私個人は、イギリスに大 変興味を持っている。 SEX PISTOLSにも言える事だが、インプットの強烈さはロック・ミュージック にとって非常に大き な役割をもつ。1969年のLED ZEPPELINにも同じ事が云えるね。しかしそ れらの存在の仕方は 実に疑問だ。何故ZEPPELINはいまだにああなんだろう。音楽に於いて他の人 が既にやってしまった 何かをやるという事は余り重要な事じゃないんだ。何かを繰り返すよりは、新 しい事をやって失敗 する方がましだよ。もし君が何かを繰り返せば、社会秩序を擁護する事になる。 しかし、もし新しい 何かをするとしたら、たとえ革命的と迄は云わなくとも、それは変革を意味す る。たとえ1ミリずつ でも君は現実の異力を委任する事になる。

HELDONが最大限に影響を受けたのは、KING CRIMSONとFRIPP&ENOセ。1 0年来、私はROBERT FRIPPの仕事に大きな影響を受けてきた。CRIMSONは、1970年代のグルー プとして、個人的には 常に感動的だった。異なった方向論の内に有する一貫性、表現とフィーリング の相関を、音楽が完全な 状態での存在を可能たらしめる事を教えられた。私のギター・スタイルが、 ROBERT FRIPPのそれと 似ている事については、私自身がそう望んだ為かも知れないが、楽器のセッテ ィングが似ているから かも知れない。とにかく彼は、音楽的に重要な主題に挑戦している人だと思う。

私の音楽論について説明すると、まず、時間には一応区切りがある。しかし私 は時間とは金属と等価 であるという結論に達した。HELDONは金属的な時間の統合法を実践し、金属 的な知覚を展開する試 みだ。金属的な知覚とは、例えば誰かがあるマテリアルとかサウンドを頭に描 くとする。それを ラジカルなポイントに置くとすると、そこにマテリアルの変容の必要性が出て くる。するとそれは、 頭の中で微細に分子化される。現実感とは全く矛盾する現実にあいた穴の様な 時空エリアへと侵入し、 エネルギーとの相関に於ける運動性とか、異なったタイプの時間の衝突が起こ るという事だ。リズムの 感覚に関して云えば、西欧人の長い歴史は、私達の耳を4/4拍子に慣らして しまっている。しかし 例えば異なった2つのリズム、スケールを応用すれば、バリ島のガムラン音楽 の様な西欧との関係の 無い異なった時間を承認する事も可能だ。
最初に音楽的な時間の関係論を見い出したのは、SOFT MACHINEだろう。そし て、PHILLIP GLASS 、BRIAN ENOにそれは継承されている。アクセントの変化だけで、同じ事を繰 り返すという事が、 聴衆の時間に対するシーケンスを変化させる事に気がついた。重要なサンプル はFRIPP&ENOフ作品 にある。

{作品について>

まず本作のCDは原稿執筆段階で、2種類存在している。一つはフランス SPALAX MUSICによるもの で、もう一つは、アメリカCUNEIFORM レーベルからのリリースである。 共に曲のクレジットが、オリジナルLP+「INTERFACE」ライヴ・バージョン なのだが、フランス盤 CDの「INTERFACE」Live Part 1は実際には、「Dedicate to K.C.」であった。SPALAX MUSIC の大ボケだったのだろう。そこで完全盤としてのCUNEIFORM盤がリリースさ れた模様である。 本CDのマスターはCUNEIFORM盤らしいので、その前提で話を進める事とす る。

1曲目:典型的なHELDONサウンドというべき曲である。左右別々のシーケン サーがドライブする 中、ドラムスがインター・プレイを行う。P. GauthierのMini Moogのベース・サ ウンドが真中に 定位されている。中々カッコイイ曲だと思う。

2曲目:いかにもBig Moogといった音による、シーケンス・フレーズに、極度 にフリップナイズ されたギターとドラムのインター・プレイが展開される。非常に重苦しい雰囲 気なので、こういう のが嫌な人は、11月国内発売の「Un Reve Sans Consequence Speciale」は、パス した方が 良いだろう。一定のシーケンス・フレーズをバックにメンバーが各々インター・ プレイを行うと いう演奏の方法論を実践しているグループは、HELDONをおいて他に存在しな いだろう。 この曲の後半では、F.Augerのパーカッション・プレイにも注目していただきた い。 まるでKing CrimsonにいたJ.Muirの様である。

3曲目:P. Gauthier色が強く、彼のピッチ・ベンドを多用したMini Moogのソロ が大々的に フィーチュアーされている。個人的な感想で申し訳ないが、こういった曲想の ソロでは、やはり フリップナイズされたギターの方が、無機質感があり、曲の雰囲気を盛り上げ ると思う。

4曲目:F.Augerの作曲による、かなり民族音楽的な色彩が濃い作風となってい る。HELDONの メンバー中、一番過激なコンセプトをもっていたのは、F.Augerであったのが裏 付けられる様な 音作りである。もし、後期King CrimsonにF.Augerが参加していたら、もっと 凄い曲が出来ていた のではないだろうか。ドラム奏者/作曲者としてJ.Muirの色彩が色濃いのは、 当時のBill Bruford よりF.Augerとしか思えてならない。

5曲目:ツイン・ギター・ソロがフィーチュアーされていて、所々に「Stand By」 のフレーズが 聴かれる。このダブル・トラック・ギター・ソロという手法は、次作Stand By にも引きつがれ ていく。

6〜8曲目:まずはスタジオ・テイクの方から聴くと、Big Moogらしい、非常 に音が立ったサウンド による印象的なシーケンス・フレーズが聴かれ、リバーブ+フランジャーを通 して、よりメカニカル な音になる様にコントロールしている。シーケンスのタイミングはリアル・タ イムにステップ・タイム をコントロールして、変拍子風に仕立てている。又、本作の中ではこの曲のド ラムの音が一番良い音で 録られている様だ。シンセサイザーのVCF、VCAを通したパーカッション の音もかなりダビング されている様である。P. Gauthierはレゾナンスをきかせた、Mini Moogによる、 ベース・サウンド を担当。そしてフリップナイズされたギターとドラムのインター・プレイによ る典型的なHELDON サウンド!!「シーケンサーと共演できるドラマー」としてのF.Augerのプレイ にも注目して欲しい。 F.AugerとP. Gauthierがいなかったら、絶対に出来なかった曲であり、F.Auger のアイディアに 従った録音担当者のPhil Rossの存在も忘れてはならない。Pinhasについては、 はっきり云って ギター・ソロの出来不出来が激しく、今回は不幸にして、グッド・プレイとは 云い難い。 とは云え、HELDONの黄金3人トリオが繰り広げた最高作品であるのは事実だ ろう。それだけに Pinhasの「ICELAND」以降、F.Augerが録音に参加していないのは、残念でなら ない。

ライヴ・テイクの方は、2枚組ベスト盤「Perspective」のA面ラストとB面1曲 目に収録され ていたもので、本LPには、他にも「Marie Virgin C.」という「Un Reve Sans Consequence Speciale」の1曲目のライヴ・テイクも収められている。さて、サウンド的には、 基本的な シーケンサーの音が、音量的に小さくミキシングされている事と、様々なエフ ェクト処理を行って いない分、ストレートなサウンドに聴こえる。Pinhasのギター・ソロは中々よい のだが、 曲の完成度、説得力という点では、どうだろうか?

ナ後に>

本作は、出来るならなるべく大きい音で聴く事を強く薦める。
又、もし同時発売の「STAND BY」をまだ入手されていない人がいたら、絶対に 手にいれるべき だ。本作を気に入った人なら絶対保証出来る内容である。又11月発売の HELDON関連も是非お奨め する。 初めてHELDONに接する、若いファンの人に対して、アドバイスすると、 KING CRIMSON関連 の作品も一度は聴いておいてもらいたい。

KING CRIMSON

Larks' Tongues In Aspic
Starless and Bible Black
U.S.A.
Red
The Great Deceiver Live 1973-74

Fripp&Eno

No Pussyfooting
Evening Star

Robert Fripp

Exposure

Jamie Muir

The Music Improvisation Company / same
The Music Improvisation Company / 1968-71

河原博文/HERETICリーダ−(注4)
1993年4月3日

注1:HELDONという名は、R.PINHASの友人のSF作家 Norman Spinradによ り考案された。 又、彼はRichard Pinhasのソロ作「East West」にヴォイスで参加している。

注2:Richard Pinhasはソルボンヌ大学哲学科の講師だか助教授らしい。そして、 記号学で有名な Gilles Deleuzeの弟子でもあるそうだ。

注3:Richard Pinhasインタビュー出典
Fool's Mate Vol 9 , 16
Keyboard Magazine 1979年11月号
Heldon/Stand by日本盤(LP)解説

注4:筆者のグループもかなりHELDONに影響を受けた。機会があれば是非聴 いてみて欲しい。
HERETIC / INTERFACE
HERETIC / ESCAPE SEQUENCE

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HELDON/Un Reve Sans Consequence Speciale King Record CD解説

【Richard PINHASが語る本作について】

X:Xavier BEAL R:Richard PINHAS(注1)

X:本作は全ての点に於いて異質なものを作っている。コンサートに来る人はま だ、この音楽の 常客とはならないんじゃないかな。

R:それは二つの事によって異なる。HELDON 4は、我々の或る時代の終わりを示 さねばなら なかった。一つは私がとりわけ、全てソロで演奏していた時期、もう一つは、 スタジオに篭って 家内工業的な音楽として曲を構成していた時期である。本作に於いて私は、装 飾的経過楽句の 側面を持つ並外れたタイプの音を見い出したのだ。正しくこの作品は、感覚能 力で曲を構成する、 よりよい音楽だ。楽符に表せる様な慣用的な形式の元での作品とは違うんだ。 我々の音楽は極度に 意味の無いものを、もたらしたりはしない。だから私は、スタジアムも満員に する事が出来ると 信じているよ。HELDON 4では、曲の制作段階で録音した硬直したものより、 もっと規範に通じ 合う様なアルバムを意識した。これは一回は必要なアプローチだと思うよ。

X:しかし当然の事乍ら、人々はおそらくHELDON 4のイメージを捨て切れずに いるだろう。 レコードを聴いて、当然コンサートに行き、もうわかりきった音を聴きたがる のではないかな?。

R:HELDON 4は、バイオレンスの事を目標に制作したが、私としては、その目標 は達成出来な かったと思う。私自身、認めたくはないが、私はまだ充分に創造性が円熟して いなかったので、 多くの決定すべき方策は50%私の失敗だ。同様に物質的、録音状況の失敗は 50%はあるん じゃないかな。今迄私は録音し、それを反映させる為の時間を充分に持てた。 その時も私は、 自分が望む、決して現存しないバイオレンスの音楽の下書きをした。注意しな がらやったんだが、 その時明らかに現状からの格差はあったんだ。人々がレコードを聴いた時、正 しくコンサートに 来た時よりも激しいものを、と思って制作したんだ。それで、発売されたレコ ードはPost Kripto Schizo Crimsonnienであり、”特殊一貫性の空想”と呼んでいる。それはKing Crimsonの 海賊盤と同じタイトルだけど、私は全ての意に反してKing Crimsonをとても気 に入っている からだ。又、King Crimsonに対しても偉大な恩がある。礼拝的、道義的なものだ。 しかし、そんな事は遺産であり、今の私には関係無い事だがね。

X:HELDON 2はRobert Frippに捧げたのか?

R:礼儀としての意味もあるけれども、King Crimsonに捧げたよ。ファースト・ア ルバムは私に とっての神を表現したかったね。

X:個々の作品は最終的なものなのでは?

R:HELDON 4を例にとってみれば、その作品はこれからの踏み板に過ぎないシン セサイザーの音 の反復の作品だ。メロトロン、ギター、ベースの他に録音しようとした音の代 わりに主題の反復 を多く使用した。この音は、より良く念入りに作られており、予め前もって制 作してあったのだ がね。完成美として私はより完璧に制作したかった。今でも同じ様に演奏出来 るよ。

X:確かに、それはとても心地良く、静かで、むしろ映像に伴って、演奏する音 だったのでは?

R:私は砂丘の中にある雰囲気を考えて制作した。スタジオで多くは作られ、多く のインプロヴィ ゼーションを盛り込んだのさ。私はNorman Spinrad(注2)と一緒にレコードを 制作する 計画を持っている。彼はSF作家で、とても美しい詞を作るんだ。

X:Norman Spinrad自身、詞を作って歌うのか?

R:いや、完全には歌わないだろう。私が気に入っている声の質があるからね。Jim Morrison、 Robert Wyatt、John Wettonなんかいいね。まぁ、私が考えて似合わしい人になる と思う けれども。声を挿入した作品には曲を構成する段階で限界が出来てしまうんだ。

X:そのあなたの計画は巧みな筋の運び方のSFなのかね?

R:まぁ、そう言えるかもね。でも数ケ月で制作されるロックのレコードみたいに なるかも知れ ない。でも言葉の展望の見地から見て、とてもSF的だよ。

X:あなたは、イデオロギーに迄発展する様なものを見い出すのが好きらしいが、 イデオロギー の支配の中の作品は、余りにも重い感じがする。

R:私は、完全に卓越した計画的な効果の録音に於ける完成美とは反対のものを見 い出した。 私はこの事を全ての一工程として考える事にしている。Spinradは同一化の完全 な形態を表し、 見い出したいらしい。彼が望む同一化とは、ファシズムへの過程に関係してい るらしい。 私の方としては、いかにファシズムが作用するかなんて事は、虚飾に過ぎない と思うんだけど。

X:Spinradの描く世界は、壮烈な幻想的なものなのか?

R:沢山ある小説の中では、興味があるものだ。叙述の部分は彼の得意とするもの だ。

X:1984(本作のファースト・タイトル)はどうしてつけたのか?

R:1984年とは現在を表している。いわば今日の神話だ。一つの観念を表現する 為に、それと 共通の性質を持つ他の観念を表す語を用いた。私は、都会に住む多くの人々に 於ける巨大な恐怖 を表したかった。人々はエレクトロニクスの人形と同様に、極めて正確に納税 額を計算され、 コンクリートづくめのパリで、今日も秒単位で作動しなければならない。私は 24時間中 24時間、録音したものを合成し、スタジオで2、3回生活を送った。あなた の行動領域の果て 、若しくは幻影と透視は、あなたに起った3時間の観念上の世界なのだ。

X:それは息詰まる様に、閉ざされた戸口を見つける様なものなのか?

R:それは偶然に起った事ではない。私は音楽に、ただ単に目を注いだ事はないよ。 1984年の 一年はとても大きな抽象作用の段階だ。それは今日、ただ今日あり得る事なん だ。人々は十年 過ぎて、並外れて表現されたより大きな抽象作用の音楽がある事に気づくだろ う。

X:あなたは何事に対しても異なった姿勢を取っている。

R:私は多くの音楽家の主題に影響を受ける。曲を作り適応させる人々は音楽家の 側面を 持っている。だから私は誰にでも影響は受けているのだ。行動に於いての専門 化段階は もはや必要としない。シンセサイザーは基準となる音を持つ事はない。むしろ 精神の楽器だ。

X:これは私の見解だけれども、独創的観念を持たないタイプは、この事を見い 出す試みを してるのではないか?

R:実際にあり得る事だ。もし、あなたが異なった事態を理解する事に達したなら、 基本的な シンセサイザーの音の演奏を理解しているだろう。もし、現存する状態の繰り 返しの観念に とりつかれているのなら、もはやそれは繰り返されているのだ。そんな事が現 存するなんて 気付かないのだろう。何事も緻密な日々の生活の現れだよ。

X:もし、あなたが作った音楽が今日に為すものがあり、その音を見い出したら?

R:実際、そんなのないんだから仕方無いんじゃない。Klaus Schulze、Tangerine Dream なんか、そんな感じがしないでもないけど。

X:もし、誰かがあなたが作った様な音を作っていたら、あなたはどう思う?

R:私が以前作ったものを繰り返すのなら、それは最も良い商業的使命だ。クソッ タレメ! 私の真似をしている奴らには別に意見を求めたくはないし、ショックなど全く 無いよ。 人々は絶えずショーの準備に取り掛かっている。だから、とにかく演奏する。 その音楽の主題 は実質的には音を出す事によって得られる結果であり、比較的自由意志に基づ いている。私は、 自分にとって役立つ有意義な主題を設定している。音楽は私にとって極端に激 しいバイオレンス であって欲しい。が、現在は完全な静止の時代だ。それはおそらく愛情の様な 殆ど不可能な 自己満足だと思う。

X:あなたの云う特殊一貫性とは?

R:それは根拠の無いものではないが、無価値なものだ。一回限りのとても重要な 空想だが、 それ故空想で無いかどうかは、もはや現実的なものではない。恒久不変なもの を壊すには、 極めて重要な事だがね。私の行動は、可能な限りの私なりの承認を必要とする。 私が望む結果に私が迫った時、初めてその行動は承認されるだろう。

X:もし、それをコンサートかスタジオで録音したら良いのでは?

R:まぁ、それは別として、いずれにしても仮定した価値に意見を求めるなんて馬 鹿げた事だよ。 特にあなたは定義を与える事を可能にし乍ら、その音楽を客観化してしまって いる。 それはとても危険な事なんだ。HELDON 1について、人々はよく言っただろ。 「ほら!新しいシンセサイザーの使用がある。」と、そんな事を私は求めてな んかいない。 見事な広がりを創造するには、官能を激化した状態が必要なんだ。

X:本作にあなたは客観的なものを見い出したか?批評家は全く客観的なレコー ドと言ってるよ。

R:私がなす音楽の視覚は、人々の精神に真実を伝えられる。

X:それは探し示す卓越した態度でないのか?

R:いや、私は何も示していない。私は言葉無しで話し、納得させる事が出来る。 概要に逆う 事無くね。

X:私が思うに、これは避けられない事では?

R:ええ、でもこれは例外的な事だ。君は音楽は言葉、或いはセンチメンタルな表 現を通して 完全に媒介であるという関係を事実として捉えているが、私の音楽は、全て” マシーン”の 反復現象が気に入っているのであって他の何物でもないよ。

X:人々を冷酷さへと促す事の出来る楽器の事ですか?

R:でも、もし君が私のギターによる方法が、全く人間的でない物を統轄している という事を 理解したならば、君の言う楽器の表現形態が大した意味を持たないという考え から抜け出す 事が出来、媒介の冷たさが増すという事も無いだろうね。

X:私はEnoがよりメロディアスなアプローチをとっていた頃のFrippとの音楽に 強い印象がある。

R:Enoは、より皮肉な音楽を通して、一つの深淵なる仕事を行っていると思うよ。

X:でも私にとって彼の音楽は、真剣さの点で取るに足らない手段である様に見 える。 ・・・・・・・人々はあなたに”Magmaの中のEno”の様な音楽を勧めるだろう。

R:Magmaの音楽は、君が3ケ月で出来る様な代物ではない。それに君が、彼らが 保ち続けている 幾つかのプロジェクトを理解したとしても、その事が有能かどうかに疑いの余 地がある。 Magmaの音楽には、私には無い巧妙さ、又、そこに達しようとする一つの象徴 的な側面があるんだ。

X:人々が何処への帰着を望むかを理解する事が素晴らしいと発見する事です か?

R:私は、大変信じてはいるが、それと同時に、何処へ進むのか、そして全ての質 問を元の状態に 戻す為に壮大な時代の没落を、理解する必要がある様だね。

(Fool's Mate Vol 9(1979-6)より転載 (訳:片山紀之氏))

【HELDONの歴史について】

1968年、パリ・ソルボンヌ大学のコミュニスト達により、結成されたロッ ク・グループ (Barricade)にPINHASが参加している(当時17才)。これがPINHASのフ レンチ・ロック ・シーンのテビューとなる。ここには後にZNRを結成するHector Zazouや Clearlightの リーダー、Cyrille Verdeauxらがいた事でも有名。同年、KlausBlasquiz(後にMagma に参加) と共にBlues Conventionという、ブルース・バンドを結成した。ソルボンヌの学 位、更に哲学の 博士号取得の為の勉学の傍ら、”Miles Davis風”のジャズ・ロック・バンドSchizo を結成し、 翌年ソルボンヌの後輩達に教鞭をとり乍ら、本格的な音楽活動を開始した。自 宅で、テープ・ レコーダーの実験を続け、そこに彼の学問上の専攻である、「時間論の哲学的 観点からの展開」 が加わって、HELDONという音楽ビジョンが固まった。
HELDON以降の歴史及 び各アルバムの 詳しい説明は、今年6月発売された、HELDONの"STAND BY"(KING KICP 2713) の解説及び、 MAQUEE誌Vol 41を参照されたい。MAQUEE誌の方には、私のHELDON論も 掲載されているので 、御一読頂ければ有り難い。

現在迄に発表されているHELDON、及びリーダーであるRichard Pinhasのソロ作 品のディスコ グラフィーを下に挙げておこう。

●Heldon名義

Electronique Guerilla ('74)
Allez-Teia ('75)
It's always Rock'n Roll (W-LP '75)
Agneta Nilsson ('76)
Un Reve Sans Consequence Speciale (本作 '76)
Interface ('76)
Stand By ('79)
Perspective (W-LPベスト盤 '84)
Soutier a la RAF (シングル盤 '75)
Perspective 1 bis complement (シングル盤 '75)

●Richard Pinhas名義

Rhizoshere ('77)
Chronolyse ('78)
Iceland ('80)
East West ('80)
L'ethique ('82)
DWW ('92)
Telstar (シングル盤 '78)
Beautiful May (シングル盤 '80)
West Side (シングル盤 '81)

●Schizo名義(HELDONの前身バンド)

Schizo and the little girl (シングル盤 '72)
Le Voyageur (シングル盤 '72)

●Richard Pinhasゲスト参加(プロデュース含む)

Lard Free / I'm around about midnight ('75)
Alain Renaud / Renaud ('75)
Fluence / Fluence ('76)
Ose / Adonia ('78)
Jean Phillipe Goude / Drones ('80)
Patrick Gauthier / Bebe Gozilla ('81)
Video Listzt / Ektakrom Killer ('81)
Tago Mago (カセット・アルバム)/Paris-Tokyo('83)
etc............................

【本作品について】

本作は以下のLP、CDが過去に発表されている。

LP フランス: COBRAレーベル 37002 '76
LP アメリカ: Inner Cityレーベル "A Dream Without Reason"
CD フランス: SPALAX MUSICレーベル 14234 '92

1976年のHELDON関連のレコーディングは、以下のスケジュールで行われた。

1976年1月〜76年6月 Richard PINHAS 「Chronolyse」録音
1976年3月〜76年6月 HELDON 「Un Reve Sans Consequence Speciale」録 音
1976年10月〜77年2月 Richard PINHAS 「Rhizoshere」録音

天才ドラマーFrancois AUGERが参加したセッションは、Richard PINHAS 「Chronolyse」から となり、「Chronolyse」セッションと並行して、本作が録音された事になる。
Francois AUGER参加二作目にしては、彼のアイディアが数多く盛り込まれてお り、彼の作曲した 曲が収められる(2曲目)等、PINHASの信頼を勝ち得たものと思われる。 事実、HELDON4の「Perspective」組曲のCoco Rausselのドラム・ワークと比較す れば、如何に AUGERのポテンシャルが高いかが判るであろう。
本作のファースト・タイトルは、前半のPINHASのインタビューにある通り、” 1984年”という タイトルになっていた模様で、結局御存知の通り、後期KingCrimsonの海賊盤の タイトルをそのまま 作品名にしている。現在日本のマニアの間では、通称”溶鉱炉”(注3)と呼 ばれているらしい。
本作は、エレクトロニクス系プログレッシヴ・ロックの中で、必聴アイテムに 挙げられるだろう。 本作のサウンド表現は、表ジャケットの絵が良く引合いに出され、「溶鉱炉の 作動ノイズさながら の音空間」という表現がされている。全体的にFrancois AUGERのパーカッショ ン・プレイと 重苦しいシーケンサーの音が特徴的。

1曲目:極度にフリップナイズされた、ダブル・トラッキングのギターがフィ ーチャーされて いて、出来不出来の激しいPINHASのギター・ワークとしては、非常に素晴し いものになって いる。F.AUGERのシンバル・ワークはZ'EV(注4)の音楽がオーバー・ラッ プしてしまう。 後半からのPatrickのミニ・モーグ・シンセサイザーのソロは、雰囲気を壊して いるのでは ないか?ラストのギター・カッティングは正しくRobert Fripp。 この曲のパリPALACEでのライヴ・テイクが、ベスト盤"Perspective"に収録され ている。 ライヴ・テイクは当然ギター・パートが一つになっている事と、スタジオ・テ イクではオーバー ・ダビングされているシンバル・ワークが無い分、非常に聴き易い。又 GAUTHIERもシンセ・ ソロは行わずシーケンサー・リフ、ベース・パートの演奏に専念している分、 結果的に曲の完成度 を上げている様に思える。結果、PINHAS、GAUTHIER、AUGER三人のインタ ー・プレイが凄ま じい内容となっている。この曲が本作のベスト・テイクであろうか?

2曲目:たかみひろし氏の言われる通り、King CrimsonのJamie Muirのソロみた いというか、 非常にアフリカ音楽の影響が色濃い。 「私は絶えず動く。コンスタントな内側の単調な低音をそのまま持続させる為 だ。それは インド音楽のあの単調な低音の様なもので、別の世界と継がる大事な糸だ。非 音楽的である事は 、より自然に近づく事であり、それが真にパフォーマンスと成り得る為には、 より努力が必要 だろう。30年前にJohn Cageが始めた不確定性音楽Indeterminate Musicは、未 だに変化 する事なく、又聴衆との絆を持たないまま現在にある。King Crimsonが至る道は この断絶を ぶち破る事だ。」(Jamie Muir) このコメントを、Francois AUGERがこの曲で実践している様で興味深い。

3曲目:迫り来るシーケンサーの音が、おどろおどろしく、チベット仏教音楽 の様なシンバル ・ワークの相乗効果で、異教的色彩が強い。

4曲目:Peter Gabriel の”On The Air”のイントロと同じ音色は、EMS-VCS3か? Big Moogの音色のシーケンサー・フレーズとフリップナイズされたギターが、 非常に スリリング。この曲には、当時MAGMAのメンバーであったJanik Topが参加し ているが、 丁度この頃、Patrick GauthierがMAGMAに参加していた事から、この人選になっ たのでは ないかと思われる。この曲は演奏時間が長い為、冗漫に聴こえてしまう。

【最後に】

初めてHELDONに接する、若いファンの人に対してアドバイスすると、 KING CRIMSON関連 の作品も一度は聴いておいてもらいたい。

●KING CRIMSON

Larks' Tongues In Aspic
Starless and Bible Black
U.S.A.
Red
The Great Deceiver Live 1973-74

●Fripp&Eno

No Pussyfooting
Evening Star

●Robert Fripp

Exposure

●Jamie Muir

The Music Improvisation Company / same
The Music Improvisation Company / 1968-71

河原博文/HERETICリーダ−(注5)
1993年9月15日
注1:Richard Pinhasはソルボンヌ大学哲学科の講師だか助教授らしい。そして、 記号学で 有名なGilles Deleuzeの弟子でもあるそうだ。

注2:HELDONという名は、R.PINHASの友人のSF作家 Norman Spinradによ り考案された。 又、彼はRichard Pinhasのソロ作「East West」にヴォイスで参加している。

注3:溶鉱炉のイメージ・フィルムをバックにKlaus Schulzeが演奏しているビ デオが存在する (Linz,Austria.1980 62min)。ICレーベル発足直後の頃で、打楽器奏者とデュ オで演奏 している。基本的なシーケンスは総てフェアライトで行っている様だ。アナロ グ・シンセサイザ ーも沢山並べているし、画質も良いので、是非観てもらいたい。

注4:メタル・ジャンクの先駆者。自家製の巨大なメタル・ジャンクをパーカ ッションとして 用いた演奏がメイン。メタル・パーカッションの様々な要素が聴ける。

注5:筆者のグループもかなりHELDONに影響を受けた。機会があれば是非聴 いてみて欲しい。

HERETIC / INTERFACE
HERETIC / ESCAPE SEQUENCE
Macintoshのソフトで、「MusicLines」、「Evolution#9」、「Music Box」、 「Cybermethic Composer」、「Hyper MIDI」を探しています。お持ちの方は是非御連 絡下さい。
又、HELDONやエレクトロニクス・ミュージック、MIDIについての御質問 のある方もどうぞ 御連絡下さい。
(河原博文:TEL075−393−2008、075−86 2−2590)

参考・参照文献

Fool's Mate Vol 9 , 16
Heldon/Stand by日本盤(LP)解説
Marquee Vol 23, 41, 48, 49
キング・クリムゾン〜至高の音宇宙を求めて/北村昌士(シンコ-・ミュージック)
銀星倶楽部 No.6 「ノイズ」

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Richard Pinhas/Chrolonyse King Record CD解 説

【HELDON(注1)の歴史について】

1968年、パリ・ソルボンヌ大学のコミュニスト達により、結成されたロッ ク・グループ (Barricade)にPINHAS(注2)が参加している(当時17才)。これがPINHAS のフレンチ ・ロック・シーンのテビューとなる。ここには後にZNRを結成するHector Zazouや Clearlightのリーダー、Cyrille Verdeauxらがいた事でも有名。同年、KlausBlasquiz (後にMagmaに参加)と共にBlues Conventionという、ブルース・バンドを結 成した。 ソルボンヌの学位、更に哲学の博士号取得の為の勉学の傍ら、”Miles Davis風” のジャズ・ ロック・バンドSchizoを結成し、翌年ソルボンヌの後輩達に教鞭をとり乍ら、 本格的な音楽活動を開始した。自宅で、テープ・レコーダーの実験を続け、そ こに彼の 学問上の専攻である、「時間論の哲学的観点からの展開」が加わって、HELDON という 音楽ビジョンが固まった。

HELDON以降の歴史及び各アルバムの詳しい説明は、今年6月発売された、 HELDONの "STAND BY"(KING KICP 2713)の解説及び、MAQUEE誌Vol 41を参照されたい。 MAQUEE誌の方には、私のHELDON論も掲載されているので、御一読頂ければ 有り難い。 現在迄に発表されているHELDON、及びリーダーであるRichard Pinhasのソロ作 品の ディスコグラフィーを下に挙げておこう。

●Heldon名義

Electronique Guerilla ('74)
Allez-Teia ('75)
It's always Rock'n Roll (W-LP '75)
Agneta Nilsson ('76)
Un Reve Sans Consequence Speciale ('76)
Interface ('76)
Stand By ('79)
Perspective (W-LPベスト盤 '84)
Soutier a la RAF (シングル盤 '75)
Perspective 1 bis complement (シングル盤 '75)

●Richard Pinhas名義

Rhizoshere ('77)
Chronolyse (本作 '78)
Iceland ('80)
East West ('80)
L'ethique ('82)
DWW ('92)
Telstar (シングル盤 '78)
Beautiful May (シングル盤 '80)
West Side (シングル盤 '81)

●Schizo名義(HELDONの前身バンド)

Schizo and the little girl (シングル盤 '72)
Le Voyageur (シングル盤 '72)

●Richard Pinhasゲスト参加(プロデュース含む)

Lard Free / I'm around about midnight ('75)
Alain Renaud / Renaud ('75)
Fluence / Fluence ('76)
Ose / Adonia ('78)
Jean Phillipe Goude / Drones ('80)
Patrick Gauthier / Bebe Gozilla ('81)
Video Listzt / Ektakrom Killer ('81)
Tago Mago (カセット・アルバム)/Paris-Tokyo('83)
etc............................

●Francois AUGERゲスト参加

Nicoletta/Naturel....Ma Bell ('83)
Catherine Ribero/Soleil Dans L'ombre('83)

●Didier BATARDゲスト参加

Ometaxalia et Bucchi/Lettre D'ocre('77)
Catherine Ribero/Soleil Dans L'ombre('83)

【本作品について】

本作は以下のLP、CDが過去に発表されている。
LP フランス: COBRAレーベル 37015 '77
CD アメリカ: CUNEIFORM RUNE30CDX '91
1976年のHELDON関連のレコーディングは、以下のスケジュールで行われた。

1976年1月〜76年6月 Richard PINHAS 「Chronolyse」録音
1976年3月〜76年6月 HELDON 「Un Reve Sans Consequence Speciale」録 音
1976年10月〜77年2月 Richard PINHAS 「Rhizoshere」録音
発表が「Rhizoshere」と逆転しているが、本作はPINHASにとっての実質的な、フ ァースト・ ソロ・アルバムである。又、天才ドラマーFrancois AUGERが参加したセッョン は、本作から となり、「Un Reve Sans Consequence Speciale」と同時期の録音であるが、音楽性の 点から 、本作の「PAUL ATREIDES」は、F.AUGERとの初めてのセッションと言っても 良さそうだ。

「全てのSFフリークに捧げられた」本作の最大の聴き物は、小説「Dune」の 仮想サントラと 思われる、「PAUL ATREIDES」であろう。
イントロをアープ・シンセサイザーで、 中間から後半 にかけては、メロトロン(注3)とギターのインター・プレイが展開されてい て、いわゆる HELDON後期の曲の中で、フリップナイズされたギターと後期King Crimsonさ ながらの、うねる 様なメロトロンが導入されている曲は唯一これだけである。F.AUGERは参加間 もないのか、 独特のキレが聴かれないのが残念。
他の曲はスタジオ・ライヴと明記されているが、アナログ・シーケンサーによ る、アナログ・ シンセサイザー(注4)の音の繰り返し音に終始しており、Tangerine Dreamと は違った シンセサイザー・リズムを探求していたものと思われる。が、年代的・内容的 に考えて駄作で ある。
Oberheim社M-1000とE−MU社のVintageKeys(注5)の音源モジ ュール、そして シーケンサーがあれば、楽勝で再現出来る内容である。PINHASがわざわざアル バムに収録した 意図が判らない。
1993年現時点でのコンピュータ・ミュージックの最前線では、MACINTOSH パーソナル・ コンピュータ上で、動作する、「MAX」、「M」、「Jam Factory」、「Up Beat」、「Hook Up!」、 「Interacter」、「Music Mouse」、「HyperMIDI」、「OvalTune」、「Band In A Box」、「MiBAC」 といったソフトウェアを用いる事に依って、リアル・タイム(演奏し乍ら)に コンピュータが 作曲し、基本的に16台迄のシンセサイザーを別々にコントロール出来る所迄 来ている。 特にこういったミニマル・サウンドは、「Jam Factory」を使えば誰にでも演奏可能 である。
本当は、私とPINHASとのインタビュー記事を載せる予定だったが、翻訳等、 原稿締切りに 間に合わなかったのが残念!!いずれMarquee誌に掲載されると思うので、楽し みにして欲しい。

【最後に】

初めてHELDONに接する、若いファンの人に対してアドバイスすると、 KING CRIMSON関連 の作品も一度は聴いておいてもらいたい。

●KING CRIMSON

Larks' Tongues In Aspic
Starless and Bible Black
U.S.A.
Red
The Great Deceiver Live 1973-74

●Fripp&Eno

No Pussyfooting
Evening Star

●Robert Fripp

Exposure

●Jamie Muir

The Music Improvisation Company / same
The Music Improvisation Company / 1968-71

【おまけ:独断と偏見のエレクトロニクス・ミュージック推薦作品】(未CD 化作品含む)

Agitation Free / Malesch, Last
Ash Ra (Temple) / Ash Ra Temple, Join Inn, New Age Of Earth, Dream and Desire ,Blackouts, Correlations, Belle Alliance, E2-E4, Walkin' The Desert
Conrad Schnitzler / Ballet Statique, Conal
Deuter / Ecstasy
Harold Grosskopf / Synthesist
Klaus Schulze / Cyborg, Mirage, TimeWind, X, Miditerranean Pads
Michael Hoening / Xcept One
Mythos / Mythos
Peter Frohmader / Nekropolis , Ritual
Peter Michael Hamel / Nada, Aura
Popol Vuh / Affenstunde, In Den Garten Pharaos, Aguirre, Nosferatu, Agape-Agape
Tangerine Dream/ Atem, Phaedra, Rubycon, Force Majeure, Logos

Ose / Adonia
Richard Vimal / Migration , Aquarythmies
Wapassou / Messe En Re Mineur , Ludwig

Absolute Elsewhere / In Search Of Ancient Gods
B.C.Gilbrt and G.Lewis / 3R4
Brian Eno / Music For Airports, The Plateaux Of Mirror, On Land, Apollo, Thursday Afternoon, The Pearl
Duncan Mackay / Score
Emerson,Lake'Palmer / Brain Salad Surgery
Harald Budd / The Serpant, Abondoned Cities, Lovely Thunder, The White Arcades
Michael Brook / Live At The Aquarium
Mike Oldfield / Ommardawn
Pink Floyd / Meddle , Dark Side Of The Moon , Wish You Are Here, Animals
Roger Eno / Voices, Between Tides
Steve Hillage / Rainbow Dome Music
Yes / Tales From Topographic Oceans

Algarnas Tradgard / Fromtiden........
Andrew Thomas Wilson / Carnarvon
Controlled Bleeding / Core, Halved, Songs From The Drain, Songs From The Ashes,Trudge
David Van Tieghem / These Things Happen, Safety In Numbers
Don Slepian / Computer Don't Breakdown
Edward Artemyev / 惑星ソラリス・ストーカー・鏡
Enigma / Sadness
Jon Hassel / The Surgeon Of The Night Sky Restores Dead Thins By The Power Of Sound
Michael Shrive / Transfer Station Blue
Philip Glass / Glassworks
Ralph Lundsten / Cosmic Love
Sensations' Fix / Portable Madness, Flying Tapes
Slava Ranko / Arctic Hysteria
Terje Rypdal / Odyssey, After The Rain, To Be Contined, The Single Collection
Udder Milk Decay / Take A Teat
Vangelis / 動物の黙示録, 野生の祭典, 野生, 天国と地獄, 反射率0.39, 奇跡のランナー, MASK, DIRECT, The City
Ain Soph / 妖精の森
Dada / Dada
ツトム・ヤマシタ / 火, サヌカイトの幻想

河原博文/HERETICリーダ−(注6)
1993年9月15日
注1:HELDONという名は、R.PINHASの友人のSF作家 Norman Spinradによ り考案された。 又、彼はRichard Pinhasのソロ作「East West」にヴォイスで参加している。

注2:Richard Pinhasはソルボンヌ大学哲学科の講師だか助教授らしい。そして、 記号学で 有名なGilles Deleuzeの弟子でもあるそうだ。

注3:最初期に使われた曲として、BEATLES / Magical Mystery Tourの「Strawbery Fields Forever」が挙げられる。コードを弾く時、各音の弾くタイミングを大幅にずらし て弾くと、 各音の音色、音程が微妙に変わり、よりメロトロンらしい音になる。うねる様 なメロトロンの ニュアンスを出すには、ヴォイシングのインターバルをあける様な演奏法が効 果的。 但し、ピッチが非常に不安定なので中古品はほとんど使い物にならないと考え た方が良い。 現在では、E−MU社の「VintageKeys」という音源で、このメロ トロンのストリング スとフルートの音の再現が可能。又、今年になって「Rime Of The Ancient Sampler」 という メロトロンをフィチュアーした企画CDがリリースされている 。(Voice Print VP141CD) 一聴 の価値あり。

注4:アナログ・シンセサイザーは、基本的には、三つのモジュールから構成 される。 一つは、波形信号を発生させるVCO(Voltage Controlled Oscillator)、二つ目は、 その音色を決定させるVCF(Voltage Controlled Filter)、そして最後に音の立ち 上がり・ 立ち下がりを決定するVCA(Voltage Controlled Amplifier)である。これらのモ ジュールは 各々電圧で制御される。例えばVCOは、その音のピッチが電圧制御されると いう事だ。 以上三つのモジュールを最低限使用し、より複雑な音作りに複数のVCO、V CF、VCAを 組み合わせたり、サンプル&ホールド回路やリング・モジュレータ、LFOと いったモジュールも 利用して、音色をより複雑化させる。当時の二大シンセサイザー・メーカーは MOOG社(モーグ と呼ぶ。ムーグじゃない。)とARP社であったが、各々のシンセサイザーの 音色セッティングを 同じにしても、音色は違っていた。これは回路、使用部品が異なる為で、特に フィルター回路が 音色決定に特に影響していた。(現在でも、モーグ・シンセサイザーに使われ たカーティス社の フィルターの評価が高い。)よって、シンセサイザー奏者は、自分のイメージ する音を、 シンセサイザーによって使い分けていた。又、当時のアナログ・シンセサイザ ーは単音しか発音 しなかったのも現在とは違う。アナログ・シンセサイザーは、ピッチが不安定 という、楽器として 致命的な短所もあった。しかし、最大の特徴は、最新のデジタル・シンセサイ ザーと比べると良く 判る事だが、音が非常に分厚い。(シンセサイザー音が、他の音に負けない!) Tangerine Dreamは、「Phaedra」に於いて、アナログ・シーケンサーを用いた、同 一のフレーズ を少しずつづらすという手法を確立した。同じく元Tangerine DreamのKlaus Schulzeは、初期 の頃に、シンセサイザーを音響装置として利用し、ノイズをアタックの遅いエ ンベロープで出し たり、サンプル&ホールドでVCFをコントロールしたりと、非音楽的な部分 に多用して、精神 世界の表現を行っていた。PINHASは、時代の流れに応じて、アナログ・シンセ サイザーの名器 と言われるものを使用してきている。名器と言われたアナログ・シンセサイザ ーは、以下のもの が挙げられるだろう。

MOOG社: Moog3, Minimoog, Memorymoog Plus
ARP社: Odyssey, ARP2600
EMS社: VCS-3
SEQUENTIAL CIRCUIT社: Prophet-5
OBERHEIM社: 4/8Voice, Xpander
PPG社: Wave 2.2
YAMAHA社: CS-80
ROLAND社: Jupiter-8, System 700
KORG社: 700S, MS-20

注5:E−MU社のVintageKeysという音源には、往年のプログレ ッシヴ・ロックで 使われていた、シンセサイザー、オルガン等の音が目一杯入ったプリセット・ サンプラーであり、 プログレッシヴ・ロック・ミュージシャン御用達の音源となるであろう。サン プリングされている 音は、以下の通り。MELLOTRON, CP-70, CLAVINET, MiniMoog,Taurus, DX-7, Matrix-12, ARP2600, Prophet-5, Moog55, Memory Moog, Fairlight,Hammond B-3,Farfisa Organ 等々。

注6:筆者のグループもかなりHELDONに影響を受けた。機会があれば是非聴 いてみて欲しい。
HERETIC / INTERFACE
HERETIC / ESCAPE SEQUENCE

Macintoshのソフトで、「MusicLines」、「Evolution#9」、「Music Box」、「Cybermethic Composer」、「Hyper MIDI」を探しています。お持ちの方は是非御連絡下さい。
又、HELDONやエレクトロニクス・ミュージック、MIDIについての御質問 のある方もどうぞ 御連絡下さい。
(河原博文:TEL075−393−2008、075−86 2−2590)

参考・参照文献

「The Bible」 (Rock Magazine 1981-07)
Fool's Mate Vol 9 , 16
Heldon/Stand by日本盤(LP)解説
Marquee Vol 23 : Encyclopedia of Europian-Rock
Marquee Vol 41, 48, 49
MACWORLD 音楽大全(扶桑社)
Macintosh Music(HBJ出版社)

エレクトロニクス・サウンド推薦文献
雑誌 今日の音楽 Vol.1〜18(リブロポート)
Marquee Vol.1〜49(Marquee)
トランソニック全号(全音楽譜出版社)
UR No.2.4.5(ペヨトル工房)
現代思想1985年5月号(青土社)

単行本 音楽=振動する建築/松平頼暁(青土社)
波の記譜法/小川博司他(時事通信社)
現代音楽のポリティックス/近藤譲他(白馬書房)
現代音楽を読む/ホアキン・M・ベニテズ(朝日出版社)
新しい音楽−1945年以降の前衛/R・スミス・ブリンドル(アカデミア・ ミュージック)
非時と廃虚そして鏡/間章(深夜 書社)
音楽と建築/ヤニス・クセナキス(全音楽譜出版社)

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HELDONの日本盤CDライナーの補足

Francois Augerソロ作品

・Francois Auger(unknown!)
・Humeur(自主500枚プレス '76)
・Methode de Batterie(Cezame CEZ1044 '78)
・Batterie(RCA Media RCM19 '83)

Didier Batard参加作品

・BAHAMAS/Le voyageur immobile(Motor 2.933 201 '76)

尚、Francois AugerとDidier Batardは、 "East-West"以降SPACE ARTに参加している。
・SPACE ART/3 (Carerre CA651 '80)

HELDONの海賊盤(LP)

・The Electric Guerillas( Paris 5/26/75 )

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