SUPER GUITAR SISTERS
Fated Story

 


「Fated Story」曲解説

 
 1.Negative Reaction
 (逆転の構図


 イントロは4thインターバルのユニットのシフト。 
 1拍ごとに転調するコードにスケールを並べたメロディ(4分の5拍子)。
 ブレイクでスラッピングのハモり〜8分の9拍子でペンタトニックのバース。
 クラッシック・ギターで2声の対位法〜ドラムのフィル&ペンタトニックのユニゾン。
 ストラビンスキーの5thの和音〜人工ハーもニクス〜4分の5拍子でハンガリアン・マイナー
 〜ホールトーン(8分の3拍子+4分の2拍子)ハモリ〜8分の5拍子+4分の2拍子ユニゾン。
 8分の7拍子でブレイク。

 でここからがやっとインプロヴィゼーションのセクション。
 情報量の多い曲。



  2.Just Do It With A Feelings
 (フィーリングでやればいいのよ)


 ルバートでのボトルネック〜モノトニック・ベースのカントリー・ブルーススタイルで
 インプロヴァイズ〜テーマ。
 エレキ・ギターがテーマを繰り返してソロへ。
 ソロの出だしの方にスイッチングのテクニックが入ってる(気に入ってる)。
 インプロヴィゼーション全体的にはダニー・ガットンぽい(ダブルストップの使い方とか)

 エンディングはネック側の押し弦ベンド、ディレイ、ボーイングとジミー・ペイジ大会。
 一番最後にペグのチューニングダウン奏法を地味にやってる。



 3
.Tilitulu-Tilitula
 (ティルトゥルティルトゥラ)


 バッキングトラックのギター&アレンジはKYO君に作ってもらって、
 ソロを弾いただけだったので楽だった。
 多少レガートやスィープを使っているけど、全体的にはスティーブ・モーズっぽいフルピッキングと
 低音のピッキングハーモニクスでまとまってる。
 後半の静かになる部分でボリューム奏法と人工ハーモニクスを使ってる。
 (これもスティーブ・モーズ)

 できるだけ早いプレーズ(早弾き)を多用して弾く事がコンセプトだったので、
 早弾きを練習してるような面白くないフレーズだらけになると思ったが(ギター小僧のような)、
 思ったよりは聞けるプレーズを弾いてるな。



 4.It's Necessary To analyze More
 (もう少し分析が必要だと思われます)


 テーマは教則本に載ってるような1−6−2−5のバップのリックと
 チャリー・クリスチャンのフレーズ。
 1コーラス目はもっと新しいアプローチの方がジャズらしかったかな?(チャリー・クリスチャンぽい)
 2コーラス目は気持ち良いいくらいのウェスタン・スイングになった。(ダニー・ガットンぽい)
 3コーラス目はオチ(面白い!)。
 4バースのバッキング(あまり聞こえないが)がこっそり聞き所。



 5.Piece Of Cake
 (楽勝ネ!)

 
 イントロ〜テーマはブレント・メイスン(マニアックだな)のHOT WIREDに似てる。
 アーレン・ロス風のカントリーリック〜トニー・ライスのブルーグラス
 〜アルバート・リーのデイレィを使ったリック
 〜スコッティ・アンダーソンの4ビート
 〜ブリテイッシュブルースロック
 〜ニール・ショーン(ゲーリー・ムーアにも似てる)

 ダニー・ガットン、ブレント・メイスン、レニー・ブロウ、スコッティ・アンダーソンが好きだ。



 6.Al De Lucia or Paco Dimeora
 (アル・デ・ルシア もしくはパコ・ディメオラ)


 アル・ディメオラとパコ・デ・ルシアの地中海の舞踏に似てるので
 「
アル・デ・ルシア もしくはパコ・ディメオラ」という曲にした。
 ナイロン弦のパートが少しマクラフリンも入ってるので「アル・デ・マクラフリン」にしようとも
 思ったが語呂が悪いので却下。

 こーゆーのはちゃんと毎日練習してないと駄目だね。
 なんかギリギリ精一杯という感じ。



 7.Rain In My Heart
 (レイン・イン・マイ・ハート)


 コードバリエーションとクリシェを使ったEマイナー・ブルース。
 作ってるうちにツッペリンの「貴方を愛し続けて」に似てきたので、それっぽくまとめた。
 ドラムの打ち込みもボンゾっぽい。
 歌もジャニス・ジョプリンやロバート・プラントみたいに歌ってる。

 これは良くできた。  自信作!
 こんなに美しいブルース聞いたことないだろ?
 (というより、ブルースに聞こえない・・・それじゃダメじゃん)



 8.Western Swing
 (ウェスタンスイング)


 1コーラス目、ドローンを使ったダブルストップ(
 2コーラス目、オクターブのユニゾン
 3コーラス目、定石のリック〜バップのアルペジオライン
 4コーラス目、テーマのギャロッピング(ラグタイム)
 5コーラス目、定石のロカビリー・リック
 6コーラス目、ディキシーランドジャズのバンジョーソロを真似たストロークソロ
 7コーラス目、ハードロックの定石のラン〜クロマチック
 ソロはコンパクトにまとまってるしテーマもキャッチーでアレンジも王道。
 あきない曲だ。



 9.80's Fusion
 (フュージョン)


 テーマのメロディいい。
 でもこれはビ・バップのラインを16ビートに乗せてるだけです。(誰でも作れる)
 リフの転調も、いかにも・・・です。
 (これ以外にも短3度のシフトなんかもよくある)
 極めつけはソロのバックに流れている80年代風のストリング・アレンジ。
 (ププッって感じがする。サブカルが喜びそう)
 媚びたようなポップさや古くささが鼻に付く人もいるかもしれないが、それでいい。
 それが正解です。それが狙い。
 これが面白いんだよ。
 なので
80's Fusion というわけだ。


 10.Fated Story 〜Instrumental version〜
 (フェイテッド・ストーリー)


 8分の6拍子、アコギ、インドっぽい曲想がビートルズの「ノルウェイの森に」似ている。
 アコギのバッキングパターンはレッド・ツェツペリンVの「キャロウズ・ボウル」や
 「ザッツ・ザ・ウェイ」の雰囲気。
 
 サビのアクセントとメロディーはプログレッシブ・ロックのイメージ(イエスとかカンサス)
 メロディーのアーティキュレーションはジェフ・ベック、
 
 オブリガートとドラムはマハビシュヌ・オーケストラの 「エネラルドの幻影」の頃の感じ。
 これは当然これを狙って作ったわけではなく、聞き返して分析すると、と言うことです。
 (ていうか、この融合を始めから狙ったとしたらその方が凄い)

 というわけで良いと感じる為に他の曲より素養を必要としますがセンスがある人は
 これらを知らなくても楽しめます。
 が、素養もセンスも無い人には残念ながら普通の曲(むしろつまんない)です。

 という自信作だけど、残念ながらマグレでできただけで
 いつもこんな曲が作れるというわけじゃない。
       






ボーナスCD解説


 1.レミ姉さんのデモ


 青いCD(juju is here)の2曲目と同じテクニックを使ってるが、
 こーゆーのは年々上手くなっていく気がする。
 
 練習しないのが功を成して音のバラつきやリズムのヨレがブルースらしくなった。
 という見方もあるが、そのことは秘密にしておいて、
 表向きには「演奏に深みが出てきた」とか「渋い演奏になった」ということにしておこう。
 
 サブカル的な言い方ではこれを「ホンモノ」と言います。
 (別な言い方では実力派とも言う)
       ↑
 そ、そうか?・・・そうなのか?  


 2.しいちゃんのデモ


 早弾きは上手だという印象を与える為の最もわかりやすい手段です。
 故に初心者や一般の人にこの手法は有効です。
 
 というわけで、その手法にあやかろうとしたが、練習するのがめんどくさいので
 ここでは早弾きぽい感じの演奏になってます。
 早い音譜が聞きたい人は9曲を聞いてください。
 (何弾いてるか自分でもわからん)



 3.そらちゃんのデモ

 8小節(Dドリアン)ー8小節(Dドリアン)ー8小節(E♭ドリアン)ー8小節(Dドリアン)の
 モードのスタンダード形式(インプレッションズと同じ)
 
 デモなので1コーラスだけです。(こーゆーのは本当は展開が面白い)
 インプレッションズはたまにライブで演奏します。



 4.シファちゃんのデモ


 暗い曲やシリアスな曲が日本人の一般的な趣味のようです。
 (マイナーkey、真面目、サブカル、エラソビッチ、芸術志向、知ったかブリッコ)
 脳天気な明るい曲や楽しい曲は稚拙(あるいは不真面目)なイメージがあるようです。
 偏見や固定概念に捕らわれなければ面白い音楽は沢山あります。
 (これがそうだ。と言ってるわけではないが・・・)
 (本当はちょびっと思ってる・・・結構思ってる・・・カントリーおもしれーよ!)



 5.666hit記念ブルース


 クロスロード(十字路で悪魔と契約を交わすという内容の歌詞)で悪魔に魂を売った後の
 演奏というネタなので、鬼気迫る演奏をした。
 結果はただの激しい演奏だけど、こんなにキレたブルースは聴いたことない。
 (というより、ブルースに聞こえない・・・それじゃダメじゃん。)
      ↑
 なんか、どっかで聞いたことある気が・・・



 6.
至上の愛
 
(ジョン・コルトレーン)

 宗教的な感じがするコルトレーン様の曲なので真剣に弾いている。
 そういった思い込みのおかげで、いつもより2割くらい実力以上に弾けているだけで
 実はインチキです。
 本当は僕はもう少し(2割くらい)下手です。



 7.処女航海

 (ハービー・ハンコック )

 今も使ってるストラトを買ったばかりでテンションが高かったせいか、
 調子にのって思いっきり弾きまくってる。(救いはこれがライブじゃなく練習、というところ)
 
 特に後半キレるところがよくわかる。
 うかれすぎ!
 「バカかおめえは!」

 調子こいてすいません・・



 8.ソフトマシーン


 コン・ディミのアクセントフリー〜4ビート(モード)〜16ビートのファンク〜ジャズ・ロック
 これは今回の企画にピッタリだ。
 それに、こーゆーのは(特に前半)は今の方が上手くできるので
 「フェイテッド・ストーリー」第一候補だったけど、逆転の構図に変更した。
 
 理由はわかると思うけど、逆転の構図はズルい!
 (よくわからないけど、凄そうな感じが凄くする)
 サブカル(ハッタリ)を超越して、もはやトリックとかマジックになってる。
 (関係ないけどマギー司朗は面白い)



 9
.ソフトマシーン(リフ)

 この頃早弾きブームがあった。
 で、僕も早弾きギタリスト族に入れられて、早弾きオムニバスCDに参加したり、
 某早弾き推奨ギター雑誌(○○○・ギター)に出ました。
 それにしても弾き過ぎ!
 本当にティリトゥルティリトゥラ・・・
 「バカかおめえは!」第2弾!



 10.クロス・ザ・リバー・ブルース

 ブルース・ロックはカッコいい!
 ただ僕自身はチビっこ(これは放送禁止用語か?)なのでカッコよくないよ。
 が、ギターの音色とフレーズだけなら、日本一のギタリストと言われてるあの人や
 本物?と言われてるあの人に、負けてない気がする。
 (というよりカッコいい気がするのは気のせいか・・)
      ↑
 うん、気のせい。