筑波大学(筑波地区)に教職員組合を!
附属学校の教職員からのよびかけ

筑波大学教職員組合
      2000年4月

筑波大学教職員組合のこと

書面で失礼いたします。私たちは、筑波大学の附属学校教職員で構成している組合です。
1973年の筑波大学開学後、大学(筑波地区)には組合組織がつくられませんでしたが、東京の附属学校には東京教育大学教職員組合以来の組織が存続しました。そして、いずれは全学的な組合組織になる時がくると考え、筑波大学教職員組合を名乗ってきました。その時のためにと、教育大教職組から引き継いだ組合資産をそのまま使わずに、特別会計として残してきました。
 現在、9つの附属学校のうちの7つに部会があり、200名ほどの組合員を擁しています。もちろん専従の職員などはおけず、役員は附属学校の教員間で回り持ちという素人集団の組合です。どのようなことをしているかは、下記をご覧ください。
 この組合のことを知っていただくために、これまでも何回か教職員共済に加入されている方などにお知らせをしてきましたが、今回は少し大きな規模で取り組むことにしました。大学に対する独立行政法人化の動きや、次に記す本学における「勤勉手当」の問題などがあり、いま、筑波大学で組合の持つ意味を考えていただく良い機会なのではないかと思うからです。本来なら、組合のことは、職員の方や病院の看護婦さんなども含む大学構成員すべてに呼びかけをすべきなのですが、私たちの力量から、今回は教育職の方に絞ってこの文書をお送りします。なお、この経費は、先に記した特別会計から支出しています。


組合活動としてやっていること

附属各校のかかえる問題をとりあげ、年に2回程度、東京にある学校教育部と 交渉をします。今年度は、勤勉手当の問題と障害児学校におけるパート職員の継 続雇用問題を中心に行いました。「独立行政法人化」と「国旗・国歌法」の学習会も行いました。また、各附属の部会で、教育条件や教職員の権利等に関わる独自の活動をしており、ソフトボール大会やフィールドワーク、映画や落語の鑑賞会などの取り組みもあります。


独立行政法人化の問題と組合

 独立行政法人化の問題については、筑波大学でもさまざまに論議されていることと思います。今年の3月には自民党内から「国立大学法人」設置などの方向が示されました。今後、急速に事態が進んでいく可能性もあります。組合としてはこの問題をどのように考えているか、全国大学高専教職員組合(略称全大教・4ページをご参照ください)が作成したパンフレットを同封いたしましたので、一つの見解としてぜひお読みください。各地の大学で、全学的な論議に組合として積極的に関わっている様子が、全大教のニュースなどで伝えられています。
まだ先行きがわかりませんが、もし独立行政法人になってしまった場合に、組合があるかないかは重要なことになります。たとえば、全大教は、「独立行政法人移行後の労働関係」について次のように指摘しています。
「独法化されると、給与・労働時間などの基本的な労働条件が就業規則によって定められるなど、法人当局の裁量権限は格段に引き上げられる。教職員組合も労働組合としての権利、団体交渉権、労働協約締結権をもつことになる。」
 「国立大学・共同利用機関=独立行政法人化は各大学・機関=法人毎の労働関係となるため、教職員組合が存在しないか影響力の小さい場合には、勤務条件法定主義の下で全国的に一本化されていた給与・勤務条件ではなく、就業規則によって法人管理者が一方的に定める給与・労働条件になる可能性が強い。」
 給与の面では、格差をつけるために、いわゆる本給ではない「諸手当」の部分が比重を増すことも予想されます。そのさい、給与をめぐる透明性を確保することが大変重要な課題になります。この間、「諸手当」のひとつである勤勉手当をめぐって起きた次のような事態は、こうした点からも軽視してはならないと考えます。


1998年度の「勤勉手当」で筑波大学は数千万円を国庫に返上?

 勤勉手当とはどのようなものか、また、1998年度からどのような変更があったのか、まず右上をご覧ください。全国の大学では1998年度の6月からこの変更が実施されました。私たちは、格差をつけての支給自体には反対をしています。しかし問題は、1998年度に筑波大学では、ほとんどの教員は2万円ほどの減額になった一方で、増額支給の対象者はわずかしかいなかったという事実があることです。
 具体的には、全国の大学では70/100の対象者は20数%でしたが、筑波大学では6月には70/100は実施されず、一般にはこれまで一律に62〜63/100だった成績率が60/100で支給されました。12月には、70/100の対象者は5〜6%しかいなかったのです。


勤勉手当とは? そのどこが変えられたのか?

(1) いわゆるボーナスには、期末手当と勤勉手当があります。期末手当は6月と 12月と3月に支給され、1998年度までは合計4.05か月分でしたが、1999年度からは3.75か月分とされています。
(2) 勤勉手当は6月と12月に支給され、標準は60/100(0.6か月分)です。ただし「成績率」というものがあり、事務官については格差支給が実施されています。 教官については、1997年までは多くの大学で格差なしで運用され、勤務成績優秀者につけられる分が均等に上乗せされて、一律に62〜63/100程度で支給され  ていました。
(3) 1997年の人事院規則の改訂で、勤勉手当の成績率による格差支給が義務化されました(大学教員には1998年6月から実施)。多くの大学では、60/100を標準に、勤務成績優秀者を70/100とし、80/100は該当者なしという形で運用されています。
(4) 均等の成績率が62.5/100だったとすれば、2.5/100を4人分集めて、1人を70/100にできることになります。標準の者は、62.5/100受け取っていた勤勉手当が60/100に減るわけで、月給40万円とすれば年額2万円減という計算になります。


 私たちは大学側に質問書を出し、最終的には大学人事課から回答を得ました。それによ
れば、筑波大学では1998年度6月には、勤務成績優秀者の選考体制などが整わなかったため70/100の導入はおこなわず、12月には、見通しがたたないので70/100の対象者の数を少なく実施したというのです。
 しかし、6月から全国の大学で行われていることに対して、見通しがたたないなどということがあり得るのでしょうか。私たちは、大学当局の何らかの手違いのために、1998年度は勤勉手当の資金の一部を国庫に返上する事態になったのだと推測しています。それは筑波大学全体にすればおそらく3〜4千万円におよぶでしょう。
 なお、1999年度からは、附属に関しては全国とほぼかわらない形で勤勉手当の支給がなされていることを確認しています。大学(筑波地区)に関しては、どのような形で実施されているのでしょうか?
 さかのぼっての支給を求めることや、この問題の責任を追及することに私たちの主眼があるのではありません。ただ、こうしたことが全学にきちんと明らかにされてこなかったこと、また、全学で「気がつく」機会もなかったことは大きな問題なのではないでしょうか。筑波大学に組合があれば、こうしたことは必ずすぐにチェックできたはずです。


筑波大学(筑波地区)に組合を! アンケートにご協力ください

 組合とは直接関わりませんが、たとえば「生協がない」などということも、筑波大学に行くと他大学と違う点としてすぐ気づくことです。独立行政法人化というような大きな課題だけでなく、福利厚生や教育・研究の条件についても、筑波大学はさまざまな課題を抱えていると思います。そのような問題を取り上げられる場が筑波にもあって良いのではないでしょうか。
 私たちは、筑波全学に組合ができていくことを希望しています。ただ、附属学校で何とか組合を維持してきた私たちが、筑波全学のことに対して大きな「請負」をすることはできません。当面私たちにできることは、筑波地区での組合作りの条件や課題を探り、それを筑波地区のみなさまへ何らかの形でお戻ししていくことだと考えています。そこで、別紙のアンケートを作成いたしました。返信用封筒で、ぜひ、回答をお寄せください。


全国大学高専教職員組合(全大教)とは

 全大教は、1989年に、日教組の大学部が独立する形でできたものです。大学が独自にかかえる課題に取り組むことを重視し、上部組織のない独立した組合として活動しています。筑波大教職組は、東京教育大教職組が日教組に加盟していたことをひきついで、この全大教に加盟しています。なお、他大学から異動されてきた方で全大教組合員だったという方などもいらっしゃると思います。全大教は、昨年度から、組合がない大学でニュースなどを購読できる「賛助組合員」制度を設けています。この制度をご希望の方がおられましたら、下記全大協事務局にご連絡ください。     

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町 2-14 朝日神保町プラザ 201
             TEL 03-3262-1671  FAX 03-3262-1638

筑波大学教職員組合連絡先
           附属駒場中・高等学校 (1999年度執行委員長)



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