筑波地区に教職員組合を!
大学教職員組合を本来の姿に

2000年11月 筑波大学教職員組合

私たちは今年の5月に、組合組織作りの呼びかけとアンケートを筑波地区教官の方を中心にお送りしました。アンケートの結果は4頁の通りで、筑波地区に組合組織を作る基盤が十分にあると確信を持つことができました。そして、アンケートに回答をいただいた方に呼びかけて、7月、9月と2回の懇談会を持ってきました。こうした中で、今、国立大学の独立行政法人化が、多くの問題をはらみながらも進められようとしています。また、第10次の定員削減も具体化されようとしています。
  国立大学に勤務する者にとって、教職員組合の組織があることがいっそう重要になっています。私たちは、歩みをさらに一歩進めたいと考え、今回は、事務、技術職員を含む筑波地区の全教職員の方にこの文書をお送りいたしました。


筑波大学教職員組合とは

 筑波大教職組は、1978年に東京教育大学が筑波大学に完全移管した時点で、名称を「筑波大学」教職員組合とし、組織・財政は東京教育大教職員組合をそのまま引き継ぎました。当時の複雑な経緯の中で、東京地区の附属学校のみに組合組織(部会)が残りました。しかし本来は大学教職員組合です。規約上、3名以上の組合員で部会をつくる形で、筑波大学内のどこにでも組合を広げていくことができるようになっています。
 教育大教職組から引き継いだ資金は、大学全体に教職組を拡げるための特別会計として長年維持してきました。このダイレクトメールは、その資金を使って出しています。私たちは、何らかの形で筑波地区に部会をつくっていただくことで組合組織を全学に拡げていくことができないか、と考えています。
 しかし、筑波と東京で日常的な交流は容易ではありません。既存の組合の部会とするにしても、実質的には、筑波地区で新しい基盤の上に組合組織を作ることになります。私たちとは独立した組合を結成されることもあり得るでしょう。その場合でも私たちは、協力関係を築いていきたいと考えています。


東京地区の組合活動について

 東京地区には、500名以上の教官、事務官、寮母等の職員が勤務しています。 
 そのうち約200名が組合に加入しており、待遇改善などを当局と交渉しています。
  最近では、勤勉手当の問題、障害児学校におけるパート職員の継続雇用問題、特別昇給の問題などを中心に交渉を行いました。
  「独立行政法人化問題」など、教職員の権利に関わる問題についての学習会も行っています。また、各部会単位で、教育条件や教職員の権利等に関わる独自の活動をしており、ソフトボール大会やフィールドワーク、映画や落語の鑑賞会などの取り組みもあります。


独立行政法人化と教職員組合

 独立行政法人化について、筑波大学では、教官を対象とする説明会などが行われましたが、いわゆる「上」からの一方的な情報しか得られないのが実状ではないでしょうか。
昨年7月に「独立行政法人通則法」が成立し、これに基づいてつくられた個別法で、国立博物館など59の国立機関が来年4月には独立行政法人に移行します。文部省や国立大学協会は、「国立大学に通則法はなじまない」としながらも、「特例法」を設けることを主張するなど、一定の受け入れ準備を進めています。今年の3月には、自民党内から「国立大学法人」設置などの方向が示されました。
 国立大学が独立行政法人になってしまった場合には、組合があるかないかは重要なことになります。給与・労働時間などの基本的な労働条件は就業規則によって定められることとなり、教職員組合も労働組合としての権利、団体交渉権、労働協約締結権をもつことになります。法人ごと、つまり個別大学ごとの労働関係となり、基本的に、これまでのように法律で定められ全国的に一本化されていた給与・勤務条件ではなくなります。だから、教職員組合が存在しないか影響力の小さい場合には、就業規則によって法人管理者(法人当局)が一方的に定める給与・労働条件になる可能性もでてきます。
 これが、私たちが、いま、筑波大学教職員組合を全学の組合組織とすることを強く呼びかけるひとつの大きな理由です。
 教職員組合のある多くの大学は、全国大学高専教職員組合(略称全大教・別記参照)に集まり、独立行政法人通則法のもとでの国立大学の独立行政法人化に反対し、さまざまな取り組みを進めています。


全国大学高専教職員組合(全大教)とは

全大教は、1989年に、日教組の大学部が独立する形でできたものです。大学が独自にかかえる課題に取り組むことを重視し、上部組織のない独立した組合として活動しています。現在、全国には99の国立大学があり、北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大など、大半に教職員組合があります。国立大学の他に国立高専、国立共同研究機関を含め、111の教職組が全大教に加盟しています。筑波大教職組は、東京教育大教職組が日教組に加盟していたことを引き¥継いで全大教に加盟しています。全大教では以下のような取り組みが行われています。

全体として :賃金改善を人事院勧告に反映させる取り組み
        通則法の下での独立行政法人化に反対
  事務職 :他省庁に比べて遅れている昇格、男女間格差是正の要求
  技術職員 :技術職員の地位の向上、研修充実の要求
  病院協議会 :看護婦の増員を求める署名運動
 全大教について、さらに詳しいお問い合わせは下記へお願いいたします。
    〒101-0051 東京都千代田区神田神保町 2-14 朝日神保町プラザ 201
    TEL 03-3262-1671  FAX 03-3262-1638  HP http://zendaikyo.or.jp/


組合運動の成果

 現行法のもとでも、組合は、大学当局、文部省、総務庁、人事院などと交渉し、さまざまな成果を上げてきました。「特別改善措置」による教職員賃金の改善、技術専門官・専門職員の制度など技術職員の地位の向上、女性が働き続けるための保育所設置などが、組合運動の成果として実現しました。また、日本の高等教育をになう組合として、教育研究集会などを通じてさまざまな課題について研究、交流に取り組んでいます。
 そうした成果の一方で、近年では行革路線のもと、定員削減による、職員の労働条件、研究条件の悪化しています。組合のない職場では、問題を訴え出ることも容易でありません。


アンケートにご協力を

 今年5月のアンケートでは、筑波大学の現状についてさまざまな意見をお寄せいただきました。今回は、全職種の方からご意見をいただきたいと思います。大学の現状について,筑波地区での組合組織作りについて、自由にお書き下さい。
 ご回答頂けた方には、アンケートの集計結果をお返しすることと、個人のプライバシーに関わることには十分な注意を払うことをお約束します。どうか、同封の封筒で、多数の方にご回答いただけますようお願いいたします。


懇談会に参加を

 私たちは、7月・9月に懇談会(「筑波大学の現状を語る会」)を開いて情報交換などを行ってきました。さらに、筑波地区の組合組織の準備へと一歩進める必要をがあると考えます。 そのため、さまざまな情報を直接出し合い、意見を交換する場を年内に持ちたいと考え、下記の日程で第3回の懇談会を設定しました。どうか、お気軽に、一人でも多くの方が参加していただけますようお願い申しあげます。

第3回筑波大学の現状を語る会

  日時 12月2日(土)16:00〜18:00
  場所 春日公民館


筑波地区アンケート結果 (2000年 6月15日現在の集計)
(1) 1998年度の本学の勤勉手当のことについて
   1.事情をよくわかっている (2.0)
   2.少し聞いたことがある 16 (32.7)
   3.初めて知った 32 (65.3)
  この件で教えていただけることがあれば、お書きください (略)
(2) 筑波大学の現状について
   1.問題を感じている 34 (69.4)
   2.特に問題はない (18.4)
   記述なし その他 (12.2)
  問題があるとしたら具体的にどのようなことでしょうか (略)
(3) 組合の必要性
   1.ぜひ必要である 22 (44.9)
   2.どちらかといえばあった方がいい 22 (44.9)
   3.全く必要性を感じない (8.2)
   その他 (2.0)
  それぞれ理由がありましたらお書きください (略)
(4) 組合への加入
   1.あれば加入したい 15 (30.6)
   2.場合によっては加入する 18 (36.7)
   3.どちらともいえない (16.3)
   4.加入はしない (8.2)
   その他  3 (6.1)
(5) 独立行政法人化問題のパンフレットへのご意見、その他何でもお書きください(略)
回答者総数 49名  ( )内は百分率数値


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