2002年7月9日
筑波大学長
北原保雄 殿
筑波大学教職員組合
執行委員長 鈴木 亨
要求申入書
昨年度、私たちは『「再任用」制度についての要望など6項目申入書』を提出し、学長に回答をお願いいたしました。
本年度改めて、下記のように、その2項目を再提出するとともに、文部科学省「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」最終答申に関連する2項目、および附属学校からの1項目を加えて提出いたします。
法人化の対応と準備で益々ご多忙とは思いますが、早期に御回答をいただき、8月中に学長、事務局との面談が実現しますことをお願いいたします。
記
5項目の要望
1.「再任用」希望者をすべて「再任用」してください。また、本学職員の65歳定年問題について、現在の検討事項を明らかにしてください。
2.研究協力部の職員に附属病院の医療行為に類する業務をさせないでください。また、病院業務に必要な人員定数の確保に努力してください。
3.法人化移行における身分保障の見通しを明らかにしてください。
4.就業規則作成等についての組合と予備的な協議を始めてください。
5.附属学校の情報管理専従者の配置の見通しを示してください。
<1の説明>
年金支給開始年齢が3年に1歳ずつ遅れて65歳になるので、60歳定年の職員(本学では技官・事務官の事務局職員、附属学校教員、附属病院職員の約2200人)にとって、「再任用」問題は重要です。本年4月から導入された「再任用」制度について、昨年10月16日に文部科学省から運用方針が示されました。そのこと自体、人事院の示す日程からも大幅に遅れ、異常なことでした。また、導入年度の該当者には著しく不利な条件に至った経緯がありました。希望者全てを「再任用」することは可能です。また、定員削減を理由に特定職場で「再任用」を認めないことも不公正で、「再任用」を認めるべきです。定年退職者の再任用については、人事院によると、任命権者は「できる限り採用するように努めることが求められるものであることに留意しなければならない」とあります。残念ながら、昨年度の実施において、本学では十分な努力がなされたとは評価できません。今年度においても、やや過剰と思われる「審査」が行われました。一方、東京大学では、職員組合が年金支給との関係で職員の65歳定年を要望し、当局も、法人化に伴う人事関連事項としてこれを文部科学省に伝えています。
再任用制度の主旨を理解し、改善してください。また、本学職員の65歳定年問題について、現在の検討している事項があれば明らかにしてください。
<2の説明>
本学附属病院において発生した3件の医療事故、医療ミスの一つについて、医療事故調査委員会は、「検体取違え」事故と呼んで報告しています。その後、研究協力部の職員が、附属病院の医療行為に類する業務を行っていることが明らかになりました。附属病院での医療事故は、単なる個人の責任問題ではなく、組織の構造上の問題です。
今後、同様な事態、すなわち附属病院の医療職以外の職員に医療行為に類する業務をさせる事態が生じない様、適切な処置を講じてください。また、附属病院と当該学系で具体的に行った改善措置について明らかにしてください。職員個人の責任だけを問うようなことなく、組織の抜本的な改善を図ってください。
<3の説明>
さる3月26日、文部科学省の「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」が最終答申−「新しい『国立大学法人』像について」を公表し、国立大学の法人化が再来年度にも行われるように観測されています。特に、「最終答申」では、教職員の非公務員化がうたわれ、職場に大きな不安と動揺を与えています。教職員の身分の承継について、特に事務局技術系職員(研究協力部の技官など)および定員外職員の身分についての見通しを明らかにしてください。
<4の説明>
仮に国立大学が法人化されると、教職員の服務規程等は法人ごとの就業規則にゆだねられることになります。他大学においては、組合との協議日程が立てられていると伝えられます。就業規則の策定について、組合とどのような協議を行うべきか、予備的な協議に応じてください。長年の間、組合が無かった大学教員組織(約1700人)、大学事務局職員組織(約1200人)、附属病院職員組織(約500人)では、職員代表とどのような協議を行うべきか、現在の考え方を明らかにしてください。
<5の説明>
新教育課程での情報分野の導入に伴い、各附属学校でのLAN管理が一層重要になってきています。物的な予算措置はされるのですが、人的支援がほとんどされません。現在、そのほとんどすべてを教員の負担によっていますが、物理的にも技術的にも限界に来ています。情報管理専従者の配置の見通しを示してください。
(以上)
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