雪篠>ちょっと唐突なんですが、花ってお好きですか?

麒麟>(唐突だ…)あ、はい。

雪篠>いや、花って絵画や何かだとモチーフになりやすいじゃないですか。小説のモチーフとしてはどうでしょう?

麒麟>ええっ、…花ですか? どうだろう、特定の花を意識するってことはほとんどないなあ。かろうじて「春」が梅をモチーフにしているけど。

雪篠>あれは?「呪縛の花束を君に…」

麒麟>あ、失念。でも、あれは…どっちかっていうと…「小麦粉(フラワー)」のシャレだから、花ではない気がします(苦笑)<呪縛の〜

雪篠>なるほど(笑)

麒麟>私、あんまり綺麗なものを書けないんですよ(汗)

雪篠>私、デジカメ持ってうろつくと、結構花の写真って撮るんですよ。かといって、それが似合うような話を書く訳ではないのね(苦笑)

麒麟>え、書けばいいじゃないですか。花の話、書かないんですか?

雪篠>花…あんまりないですね(苦笑)お題自体が「ヒマワリ」だったやつくらいじゃないです?うちので花って。

麒麟>なんで花なんですか?

雪篠>先日、新聞のとあるコーナーで「バラの花を絵に使おうと思って買ってこさせたけど、家に飾ったバラの花の紅が鮮やか過ぎて、結局見惚れてしまった」みたいな、そういうのがあったんですよ。「人間は本当に綺麗なものを見たら筆なんて動かないで立ち尽くすだけだ」みたいな。

雪篠>で、まあ…小説はどうだろうと。そういう流れで、花。

麒麟>うわあ、なんか素敵な記事ですね。

麒麟>雪篠さんは、桜も割と書いていませんでした?

雪篠>詩の方で。あとは、桜がどうというよりはまあ、季節でというのではありますね。

麒麟>ああ、そうでした。桜は詩ですね。

雪篠>私の中で、桜って……降ってくるもの春代表みたいな(謎)そういう感じ。

雪篠>春の桜、夏の陽射し、秋の落ち葉、冬の雪……で、ジョーカーは羽(笑)<落ちてくるものセット

麒麟>(笑)

麒麟>そうか、そうですよね。私、ソメイヨシノを大学で初めて見るまでは桜が降るって感覚なかったんですよね。

雪篠>北海道は八重咲きのが多いですからね。<桜

麒麟>そうそう。しかも5月に咲く(苦笑)<桜

雪篠>私の未発表の作品なんですが「舞い散り、降り積もり……空から降りて地面を染め変えるもの」という記述があるんですよ。それで、夏の太陽が仲間外れ扱いで嫌われてるの(苦笑)これが多分、さっきの降ってくるものシリーズなイメージを一番表わしてる。

麒麟>うーん、綺麗。未発表なのが惜しい感じで。もしかして未完ですか?

雪篠>未完です(苦笑)

麒麟>でも、ほんと綺麗ですね。

雪篠>ありがとうございます(笑)

雪篠>まあ、そういう訳で……あんまり「花」っていう小説は書いてないんですよね。

麒麟>この綺麗な雰囲気を壊して悪いんですけど、ある話で削った部分に「非人道的な芸術」を「沼の中のバラ」だと比喩したものがあるんですが。それで「あれ、君はバラはくどくて嫌だって言っていなかったかい?」「うん。でも今の比喩で好きになったわ」というくだりがあるんですね。

麒麟>綺麗なものすら綺麗に書けない(爆)

雪篠>いや、何かカッコいいですけどね、でも(笑)

麒麟>カッコいいですかあ? 気味の悪さを出したかったんですが、いや、でも削ったんですよ(汗)

雪篠>いや、そういう使い方をする辺りが<カッコいい

麒麟>どうも…。(少し複雑…)

雪篠>あああ…何か忘れてるなあという気が(汗)……すると思ったら、あれだ、御伽草子(苦笑)

麒麟>ああ、ありましたね。懐かしいとこです。<御伽草子

雪篠>懐かしすぎて、あれは時効ですね(笑)

麒麟>時効って(苦笑)

雪篠>あとは、そうですね。紅いバラって、血のイメージで使われてるのがあるかな。

雪篠>すごい普通な使い方ですけど(苦笑)桜同様。

麒麟>ああ、そういう使い方もありますね。

雪篠>[モノクローム]とか、あとひとつ未発表のでそんなのがあります。

麒麟>他に使い方って考えつきますか? この花はこうみたいなの。

雪篠>普通のしか出てきませんね(苦笑)イメージ貧困ですけど、タンポポとかヒマワリに天真爛漫な元気さを、とか。

雪篠>というか、女性とか、人物の表現で花のイメージをって、そういうのしか出てこないかな。蘭とか百合の高貴さとか。

麒麟>黄色いなあ。なんか色の力もありますね。

雪篠>ああ、そうですね(笑)日本的な黄色というか、少しオレンジよりの明るい黄色。元気ですよね。

麒麟>ヒマワリなら、背比べとか競争とかっていうイメージがなんとなくありますね。

雪篠>ああ、なるほど(笑)

雪篠>あとは普通に花言葉系の使い方?

麒麟>ああ、花言葉は知れているのだと有用ですよね。

雪篠>確かにあんましマイナーなのは駄目ですね。というか、花自体も「そんなの知らない」だと厳しいですけど(苦笑)

麒麟>そうですね(苦笑)。花って身近なようで難しいモチーフですね。

雪篠>ですね。というか、実はあんまり身近でもないのかも。これも先の新聞記事の話なんですが、まさに「他所の庭に咲いている姿を何気なく見ているだけだから(家に来たバラに驚いた)」という感じで。

麒麟>すみません、ここ田舎なんで結構咲いてます(苦笑)

雪篠>絶対的に生活の一部に組み込まれてるもの、ではないですね。少なくとも私にとっては(苦笑)

麒麟>だから、ついデジカメで撮ってしまうんですね(笑)

雪篠>というか、やっぱり色かな。花の色と空の色ってのは、二大テーマな気がする(苦笑)何か映像な話で悪いけど。

麒麟>なるほど。空の色はいつ見ても違うし、花も一瞬が大事な感じですものね。

雪篠>それで、あと再現が難しい色してるよね。空も花も。

麒麟>そうですね。

雪篠>だから好きですね、見るのとか。……この辺で次いきますか(苦笑)

麒麟>なるほど。なんていうか、小説の話じゃないけどいいか。じゃあ次へ。


そして話題も移りゆく……