麒麟>私、自虐してます? また?

雪篠>いや、いいと思いますよ。そこはほら若さを証明したんじゃないですか。

麒麟>居たたまれないっすね。

雪篠>多分、作家には大事なことです、ええ――いや、これはマジでですけど。

麒麟>流行りのネガポジってことにしておいてください(汗)

雪篠>でも、ホント、そういうのは大事なことなんだろうなあ、と思いますよ。中堅〜大御所の作家さんとかのインタビューとか見ると、そんな感じ。

麒麟>?

雪篠>いや、若さっていうか。多分、若いっていうよりかは、一周まわっての含蓄なんだろうけど。恥ずかしげもなく言っちゃうような? そういうのがないと、結局小説なんて書けないんじゃないですかね。

麒麟>あーそうですよね。若さ大事ですよね。

麒麟>あんまり遠回しでもなく「麒麟さん、恥ずかしいなあ」とか言わないでほしいですけどね。

雪篠>言わないでスルーしたら、それはそれであれじゃない? お客様に読まれてる訳だし。

麒麟>あーなんか自分三十路だなあって気がするわ。この痛さがたまらないよね☆

雪篠>やめてよ、その巻き込み型の自爆(苦笑)GWにこんなところで対談してること自体が痛いよって、薄々読んでる人も気付いてるんだから、やめてよ(苦笑)

麒麟>さて、どうしましょうか。

雪篠>あー、じゃあ、麒麟さんは青春小説を書くらしいということで、まとめて。

麒麟>えー、そんなまとめ?

雪篠>あれ、違ったっけ。

麒麟>違うと思うなあ。

雪篠>麒麟さんは若い?

麒麟>麒麟さんは痛い。

雪篠>何、今回、テーマ、自虐?

麒麟>ゴールデンウィーク(弱点)?<自虐

雪篠>……ええと、スルーしまして。次の話題にいきましょうか。

麒麟>はい。<スルーに賛成

雪篠>唐突ですが、そらで言えるような心に残る言葉ってありますか――と、訊こうと思ったけど、貴方は確実にありますね、ということで。

麒麟>……えっと。

雪篠>え、ないです?

麒麟>どういう……?

雪篠>いや、別に何でもいいんですけど。小説やエッセイの一遍でも、格言でも。

麒麟>ああー、ありますね。

雪篠>逆に話の振りから想像いただいて、私はあんまりぱっと思い浮かぶのってないんですけどね(苦笑)

麒麟>なるほど。

麒麟>今、ちょっと考えていて、「同調」と「衝撃」の2パターンがありました。面白いもんですね。

雪篠>ああ、なるほど。それは後で、個人的に聞いてみたいですね(笑)<「同調」と「衝撃」

雪篠>何の前振りかっていうと、先日ちょっとした検索の流れで思ったことなんですが。

麒麟>はい。

雪篠>かなり前の裁判ですが、裁判長が被告人に「さだまさしの『償い』を聴いたことはあるだろうか」という異例の発言をしたっていうのがあったらしく。私は、『償い』もその裁判自体も知らなかったんですが。まあ、実在の事件を元にした唄で、その唄の人くらいちゃんと反省してほしいっていう説諭らしいんですね。

雪篠>そんな裁判に引用されるような唄なんですが、そのライナーノーツでは、さださんが山本周五郎の言葉を引用してるらしいんですね。で、さらに検索して……山本周五郎の言葉を引用したりとか、名言として紹介してる人っていっぱいいるんだなあ、という――ここまでが、長い前振り。

麒麟>うん。

雪篠>本題『他人に引用されるような作家ってすごいよね』(ざっくり)

麒麟>なるほど。(ざっくり)

雪篠>いや、そりゃまあ、別にこれまでだって名言紹介とか目にしてない訳じゃないんですが。裁判に引用されるような唄、のライナーノーツに引用されるセリフ、って、すごくないです? そこ、直線でのつながりはないんですが。

麒麟>すごい。私にとって「他人に引用される」=感動みたいなところがあるから、やっぱすごいに尽きますね。

雪篠>読んだ直後に、ああこの文がすごいな、とか、このセリフはいいな、と思ったり、本の紹介するのに引用するってのはあるけど、何ていうか、作品を離れたところで引用されるってのは、それだけその人の人生に、もう自然な言葉として組み込まれてるっていうか。

麒麟>自作に使ったことはない?

雪篠>うーん、作品に何か引用してきちゃうと、扱いが難しいですから(苦笑)

雪篠>普段生活してる上で、「こういう言葉がある、だからこうだ(こうじゃない)」だとか、そういう風に持ち出せる言葉になってるってのは、すごいな、と。

麒麟>引用っていうか、そこに嵌まるピースがそれしかないっていうか。

雪篠>それって要はその人の価値観の一部になってる訳じゃない?

麒麟>そういうことだと思います。

雪篠>それが、複数の作品、かつ作中にいくつもそのレベルの言葉があるとか、正直、神だろ、と(笑)

雪篠>と、まあ、それだけ言いながらも、山本周五郎すげーなー、で終わって、作品読んではいないんですけどね。

麒麟>え、そういう話なんだ。

雪篠>え、なに?「そういう人に私はなりたい」的なオチ期待?

麒麟>いやいや。あっけにとられただけ。

麒麟>直近の書き物で、同一作家の別の言葉を別の作品で続けて拝借しているなあと、気づかされてびっくりした。

雪篠>それは、すごい。

麒麟>だから、当たっているなあと思います。

雪篠>さっきもちらりと言ったけど、作中に引用するのとかは難しくない?色々な意味で。

麒麟>ちなみに誰かといいますと「五木寛之」。やっぱ神だから可能なんですよ。

雪篠>渋いですねー。

麒麟>引用するっていうのは、どうやっても自分の中にないってことなんじゃないかなあと。もう借りてくるしかない。でもここに置きたい言葉。<引用

雪篠>ああ、なるほど。


引用、モチーフ、パロディ――え、カラオケ?