KMC History特集:群れ

1. 概要

C.A.ブラッコの「I Mandolini a congresso!」は、所謂マンドリンオリジナルのジャンルでは5本の指に入る有名曲で、筆者の周りでは「群れ」と呼ばれています。 日本語訳題について再考してみたいと思います。
なお、作曲者や作品そのものについては、札幌シンフォニカ・マンドリーノの資料室内使える!曲目解説に相当詳しく載っています。

2. 原題

I Mandolini a Congresso! , pezzo sinfonico

3. 日本語訳案

交響的小品「マンドリンの群れ」(マンドリンの集い!)

4. 言語分析

英語にすると"The Mandolins in(to) Conference! , symphonic piece"(冠詞省略)ということになる。
"congresso" は「(大規模な)会議、大会」だそうなので、ちょっとしたアンサンブル的な集会というわけではないらしい。

筆者が見たことのある日本語訳題は次の通り。

  1. マンドリンの群れ(or マンドリンの群)
  2. マンドリニストの群れ
  3. マンドリンの集い、マンドリニストの集い
  4. マンドリン集まれ!
  5. マンドリン、共に集え
  6. 集え!マンドリン

KMCでは1923(大正12)年5月の第19回に初めて演奏していて、 その際の表記は1であった(送り仮名なし)。 次に(大学で)表記が変化するのは1964(昭和39)年の第1回 ALL KMCの大学ステージで2。 (ちなみに大学定演は第106回のみ2で他は1(送り仮名なし)。)
それより前の1961(昭和36)年4月 塾高女子高 第2回では「マンドリニストの群れ」と表記されていて、以後塾高女子高及び志木高ではこの表記が続く。
70年史の大学125回の開催に関する部分(53ページ)で3が登場。

SMD(同志社)では1923(大正12)年11月の第3回私演会で初めて演奏していて、表記は1(送り仮名なし)。

1は最も最初の訳題と思われる。中野譜庫も1。トリオノーボは「マンドリンの群!」。
2は恐らく1の変形。マンドリンは生き物ではないので「群れ」としたくなかったことから生まれた表現であると思われる(・・・という趣旨の文章をどこかそれなりの資料で読んだのだが出典を失念)。
3はKMCの70年史に登場。大学第65回は「マンドリニストの集い」。アンサンブル・マーレでも使用。筆者が1,2しか知らなかった頃、こんな訳はどうだろうと考えていたものでもあった。
4はアンサンブル・アメデオで登場。最後のエクスクラメーションマークを生かした訳題。
5は久松祥三氏の論文「マンドリンオーケストラの発達と現状」で登場。 (従来の訳題は)「原題の動的なニュアンスが含まれていないので、あえてこう訳した。」とのこと。
6は札幌シンフォニカ・マンドリーノの資料室内使える!曲目解説で登場。最後のエクスクラメーションマークを生かした訳題。

「群れ」という言葉は間違いなく検索ワードになるので外せず、「マンドリニスト」よりも「マンドリン」の方が歴史的・起源的で重い。
また個人的には「集い」が気に入っていて、これは70年史にも登場する。
KMCで使用歴のある2つを併記し、一方(馴染みの薄い方)にエクスクラメーションマークを付けることにする。