韓国と日本間の公演芸術分野の交流がしだいに増えるなかで、今回は日本の中堅演劇人らが韓国を訪問し、わが国の演出家や劇作家らと両国演劇の交流方案に関して討論した。
20日夕方6時から東崇アートセンター会議室で3時間ちかく進められた討論の参席者は、韓国側の金文煥氏(キム・ムナン、ソウル大)、金正ト氏(キム・ヂョンオク、中央大)、梁惠淑氏(ヤン・ヘスク、梨花女子大)、韓相侮=iハン・サンチョル、翰林大)、コ・スンギル教授(中央大)、劇作家の朴祚烈氏(パク・チョヨル)と呉泰錫氏(オ・テソク)に演劇協会のユ・ヨンファン事務局長およびアン・チウン氏(中央大講師)など9名と、日本側の出戸一幸氏(日大教授・英文学)、豊田順一氏(同大独文学)、神永光規氏(同演劇科)など7名。
この日の討論で韓国演劇人らは「過去の日帝侵略のしこりが完全に解消されないままにある今日の状況の中で、韓国観客らが抵抗感なしに受け入れられる日本演劇はどんなものだろうか」などの質問で主な関心を表明した。しかしこれに比して日本側の参席者らは現代日本演劇の流れなどを長々と説明しながら、演劇の様式面で2国間の伝統の交換を強調する「脱政治的」発言に重きを置いた。
討論の初盤、韓国側のある演劇人は「さいきんソウルで公演された日本の劇団地人会の演劇『釈迦内柩唄』が韓国の観客に良い印象を与えたのは、過去の軍国主義の非人間性に対する日本の反省を垣間見ることができたからだ」とし、「これから韓日演劇交流が進行される際に、韓国に紹介される日本演劇がどんなイデオロギーを土台にしているのかが重要だろうと思える」と語った。
これに対して日本のカミナワ氏(訳注:神永氏のまちがい?)は個人的な見解であることを前提に、「日本の若い芸術人たちの現代演劇は媒体中心の作品に偏りつつ政治性は脱色され、人間・自然に対する関心を盛り込む傾向が深化している」とし、「釈迦内柩唄も20年前の作品」だと言及して政治的見解を演劇に盛り込むことは日本演劇の主な関心事ではないと強調した。しかしわが国側は「少し前にあった新宿梁山泊の『千年の孤独』は現実に対する反省を感じさせる作品というよりは、日本的な大衆文化の様相を羅列しておいたようで空虚だった」とし、「このような商業的文化が演劇にかぶさって来るならば警戒するほかないだろう」とした。これに対しては日本演劇人らも「重要な問題」だと共感した。
また共同制作の問題と関連し、キム・ヂョンオク教授は「文化の大東亜公演圏」論を主張して視線を集めた。同氏は「過去日本は侵略の手段として大東亜共栄圏を掲げたが、経済大国に成長したこんにちの日本は東洋文化の良い点をたがいに交換して花を咲かせるところで〈大東亜公演〉をひきいていく義務がある」という見解を明らかにした。