近くて遠い国日本との演劇交流が口火を切って今年で3年目です。95年度から韓・日両国の演劇人らが場所を変えながら二国間の演劇の現況と、さらにはアジア全体の演劇発展のために集まりを持つことになったわけだ。
まだほかの分野で直接的な二国間の交流が微々たる実情であるうえに、とく日本色文化の浸透を憂慮する国民的情緒を考慮するならば、韓・日演劇人会議こそそうとうに進歩的で未来指向的な事業ではないだろうか。
今年は97世界演劇祭が開かれている期間中(9月29日〜10月1日)、日本演出家協議会会長のふじたあさや氏をはじめとして20名あまりの日本演劇人らがソウルを訪れたし、韓国側からは鄭鎭守(チョン・ヂンス)演劇協会理事長を含んで林英雄(イム・ヨンウン)、朴祚烈(パク・チャヨル)、金義卿(キム・ウィギョン)、蔡允一(チェ・ユニル)、ソン・ヂンチェク、朴雄(パク・ウン)、イ・ヂョンフン、シム・ヂェチャン、金文煥(キム・ムナン)、金潤哲(キム・ユンチョル)、金芳玉(キム・バンオク)など多くの演劇人士が参加した。
「21世紀アジア演劇の役割」という主題のもとに二日間、文芸振興院の講堂と芸総会議室で真摯な討論がやりとりされたし、最後の日にはたがいの考えを虚心坦懐にわけあう歓談会の席も用意された。
昨年に比べて質的に豊富で密度のある会議だったという評価があるほど、相当部分で建設的な意見交換が行われた。まずアジア演劇が真正な概念と範疇、西欧演劇に対する劣等感などの問題が討論されたし、「97世界演劇祭」に対する評価が行われた。あるいはまた、国際交流を通じてアジア演劇を広める場を作り、アジア演劇のための劇場建築が行われなければならないという意見も提示された。
特に今年の韓・日演劇人会議のもっとも大きな収穫とするならば、韓・日演劇情報交換センターの設立に意をひろつにしたという点だ。ひと月のあいだの基礎的な公演情報をはじめとし、公演に対する評をたがいに交換することにしており、これは来年中に始まる展望だ。あわせて一か月間だった日本演劇界の消息を本誌に掲載し、わが方も本誌に掲載される〈レビュー〉部分を翻訳して日本に送る方案なども検討された。
これまでよりも実現可能で細部的な意見交換が行われた今回の会議は、単純に観光が目的だとかなまかじりの儀礼的な話が行き来する〈ことば〉だけの交流である集まりとの差別性を見せた。おもてには出さないが長いあいだに積もり積もった二国間の感情のしこり、希望にあふれた21世紀を迎える時点ではっきりと打破しなければならない残りかすだ。
アジアは西欧にくらべて劣等ではない。これいじょう比較の基準を西欧の視角と目盛りとしてはならないだろう。とはいえ、われわれがすすんでアジア演劇の概念を確立して特化させる、互いの交流に努力を傾けなければ永遠に西欧を憧憬しながら彼らに従属することを自分で許すことになるだろう。