≪Theatre Reviews
「銃口はもういやだ…〈日本の良心〉バス、大長征」
イ・ヂェソン記者/ハンギョレ新聞(2005/10/12)

日本の良心勢力を代弁してきた劇団青年劇場が40日間、韓国14都市を巡回する大長征を始める。青年劇場は11日、ソウル大学路のカフェ「場」で記者会見を開き、この劇団の代表作である『銃口−教師・北森竜太の青春』を13日から来月18日まで公演すると明らかにした。唐津の文芸の殿堂を皮切りに、公州、水原、ソウル、昌原、釜山、咸安、麗水、梁山、順天、光州、木浦、真珠、済州などを回り、27回にわたって公演する。40人あまりの団員がバス1台と5トントラック2台と一緒に移動する大蔵征だ。

小説『氷点』の作家三浦綾子の遺作を舞台化した『銃口…』は、侵略戦争を起こした日本の反省を促す反戦平和メッセージを盛り込んだ演劇だ。「韓日友情の年」を迎え、韓国芸術文化団体総連合会の招待で韓国で公演することになった。

福島明夫(52)代表は「日本は広島、長崎などの戦争被害を浮き彫りにしているが、わが劇団は日本が犯した侵略行為を掘り下げる作品を扱ってきた」とし、「日本にも戦争を反省する人々がいることを韓国に知らせたい」と話した。

演出家の堀口始(74・写真)は「三浦綾子は二度と再び『銃口』の前で罪のない人々が犠牲になってはいけないという考えでこの作品を書いた」とし、「今も地球上で繰り広げられている数多くの戦争に反対し、平和を祈る心で演劇を作ることになった」と話した。同氏は「特に日本が独島問題や教科書波紋などで物議を醸している状況で、この演劇が持つ意味があるだろう」とし、「この公演が韓日友情の橋の役割りをすると信じる」と付け加えた。

『銃口…』は原作者の三浦綾子が戦争当時に小学校の先生として過ごしたが、間違った歴史認識の壁の前に挫折し辞職した経験をもとに仕立てたものだ。同氏が残した小説とエッセイ250点はほとんど、病気と戦いながら口述したことを夫の三浦光世氏が筆記したものだ。

青年劇場は去る1964年、日本の新劇開拓者である秋田雨雀と土方与志の弟子たちが集まって創った劇団だ。東京の新宿に本拠を置いて、120人あまりの団員が社会性の濃い作品と青少年を対象にした作品を作り出している。