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「良心ある日本の知識人に演劇で出会う」
劇団「青年劇場」『銃口』韓国公演紹介/キム・ソンギョン記者/「民衆の声」2005年11月12日付記事

本当に感動的な日本の演劇『銃口〜教師、北森龍太の青春』が40日のあいだ全国を巡回し、日・韓間の平和な気運を作っている。あるいはまた10月20日から23日まで4日間、ソウルの西江大学メリーホールで公演が予定されており、多くの人々の関心を集めている。

「2005年韓日友情の年」と三浦綾子の小説『氷点』出版40周年を記念して韓国に来たこの作品は、全国14都市で10月13日〜11月18日まで公演される。今回の公演は韓国各地域の芸術団体と純粋芸術交流を目的に(社)韓国芸術文化団体総連合会との共同主催で開かれた。

この作品は1937年から1946年までの10年間、日本帝国の軍隊が中国大陸を全面的に侵略した頃から、日本の敗戦で第二次世界大戦が終結するまでを背景としている。

時代の良心と正しい教育は何かという悩みを示す演劇

(劇団の)堀口始演出は「敗戦後、日本の教師たちは深く反省しつつ、学徒たちを二度と戦場に出さない」と誓って教育活動をしてきた。しかし今日、一部の行政ではそんな教師たちに対してさまざまなかたちで圧力を加える実情もある。あるいは歴史を歪曲した教科書を強要し、国民の宝物と同様の戦争廃棄という平和憲法を改正しようとするなどの動きも垣間見えており、日本国家が決して平穏だとは言えない」と語った。

続けて同氏は「60年前にわれわれ日本人は天皇制・軍部独裁政権の被害者であり、同時に他国国民には加害者でもあった。いまの情況、世界の情勢を憂慮しながら、人類が二度と銃口によって脅かされることがないように平和を祈る心でこの演劇を制作した」と説明した。

すでにこの作品は日本国内で民主教育の原点を守っていこうとする教師、平和を念願する多くの観覧客の支持を得て全国的に公演されてきた。

作品『銃口』が誕生するまで

作品の原作者である日本の小説家三浦綾子は、戦争当時、小学校先生の身分で戦争を経験し、日本の歪んだ歴史認識に悩み、自分に対して深い怒りと屈辱感を感じたあまり教師職を辞職したことがあった。

その後、彼女は自分が直接体験した葛藤を土台に教育に対する限りない理想と情熱を小説化し、歴史の中では限りなく弱い人間だが正直な生活を追求する姿を小説『銃口』に盛り込み、彼女の最後の遺作として残した。

これを日本の青年劇場が舞台化し、2002年に東京・新宿で初演し、1年後の2003年秋には周囲から雨あられの再公演の声援に支えられ、東京一帯の巡回公演も盛況裏に終えた。

初演から再公演まで計40回のステージ公演に2万人あまりの観客が訪れて感動の涙を注ぎ、激賛の拍手を惜しまなかった。

今回のソウル公演は10月20日〜10月23日4日間、西江大学メリーホールで木・金7時30分/土3時、7時30分/日3時に上映される予定で、料金はR席20000ウォン/学生15000ウォン、 [S席]は15000ウォン/学生12000ウォンだ。