巳年
蛇は神聖な守り神
民俗学者 大藤ゆきさん
いまなお根強い信仰や俗信
クチナワ、ナガムシ、ナガモノ…。蛇(ヘビ)の異称には、いくつかあるが、大藤さんによると、いずれも、そのものズバリの呼び名を避けたものという。
「それは蛇を神聖視しているためで、特に漁師に、その傾向が強く、蛇が水神の姿と考えられていたためでしょう」
巳には、神聖な守り神の意味が濃いようだ。
また、ヘビには女性に魅入って子を生ませるという民間に伝わる信仰もある。そのもとは、三輪山神社(奈良県桜井市)の神が蛇の姿となって人間界の処女に通い、神の子をはらませたという「三輪山信仰」があり、さらに、それが蛇聟入(ヘビむこいり)という昔話となっているという。
「忍んでくる男の正体を鉄の針の呪力で見破り、女性が難を逃れるというもので、漁師が海中に鉄製のものを落とすのを忌むのも、ヘビが鉄を嫌うためです」
一方で、蛇は、七福神の一つ弁財天や山の神が使わされた動物という信仰も根強く残っている。それに、女性の三十三歳の厄年には、ウロコ模様の帯を締めたり、守り袋、財布、ふろ敷き、クシなど身につけると厄を逃れられるといった俗信もあるという。
方角でいうと、巳は南南東を示す、時間では巳の刻は午前十時、または午前九時から午前十一時の間をさしている。
~い縁起物
手芸家 松田愛子さん
新春彩る結び絵やマスコット
長い歴史をもつ日本独特の伝統手工芸「結び」は、一本ないし二本の組みひもを指先だけで多彩な形に結び、優雅な飾り結びとして発達してきた。
松田愛子さんは、この飾り~
~ 玄関や室内に飾って楽しめる「結び絵」。白と金の二本の組みひもで、淡路結びと四つ組みで仕上げた。赤の色紙に巳の形に置き、家運隆盛を招く緑の老松を添えてある。
新春にふさわしい紅白の組~
~ト大蛇神」は銀の組みひもで上アゴ、下アゴに分けて結び、胴体は緑と銀の組みひもでウロコ模様をあらわし、太く長く結んだ。「自由に蛇の姿勢を変えて楽しめますよ」と松田さん。
新春らしい紅白の組みひもを使った「テーブルマスコット」
飾って楽しめる「結び絵」
県警、本格的に捜査へ