水鶏姫
くいなひめ

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お茶碗に山盛りにした金魚を食べる
水鶏姫は明日雨を降らします。
座敷から少しも顔を出さず
いつも誰かのお願いを聴いて
占いをして雨雲呼んだり
御供えの魚をつまみ食い。
お茶碗からこぼれおちた金魚の目玉
少し泣いているみたいに光ります。
水鶏姫のために造られた庭は
桃の木で埋め尽くされてる。
膨らむ蕾　香る春霞
でも座敷から出ちゃいけないの。
お茶碗に山盛りにした金魚を食べる
水鶏姫は明日雨を降らします。
閉じ込められた常春の日々
お茶碗に山盛りにした金魚を食べて
水鶏姫は今日も雨を降らします。

▲金魚を山盛りにして遊ぶ