狂姫
ク ル ヒ メ

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詞:薙神征人・猫祭り姫  曲:猫祭り姫  編曲:猫祭り姫・机(幼虫社)

川の向こうの愛しい妹 振り返りもせず下駄鳴らす
踏んだ白砂されこうべ 乾いた音でかたかた笑う

>風死す岸に陽炎揺れる 凝った水に茅花を流す
転がる鈴の音 伽藍の堂に 拾い上げる手が奈落をかすめる

ススキの向こうの夕闇が 朱墨の帳を降ろします
血濡れの諸手を袖に隠して まがごと後ろににこりと笑う

千の狂気で千鶴を綴る 舌の廻らぬ睦言紡ぐ
眩めくまなこはまどかな月が 照らす妖妃の笑むを捉える

ひとふたみっつ しゃきしゃき跳ねる よついつむっつお手玉跳ねる
跳ねるは兎 手鞠のような月も隠れりゃ虫も眠る

砌の石は闇路へ続く 掴みそびれた袂がひらり
薄紅色の花びら散らせ 赤いはなおが常闇に駆けてく

 
 

薙神征人氏の小説『狂姫』に喚起され出来た歌です。
作者ご本人に依頼し詞を書いて頂き、猫祭りの解釈で歌のかたちにしました。
小説『狂姫』は薙神氏のサイト「豊葦原」で連載中。