うぐいすの里

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ある山の ある森の 
昼日中 昼食の時分に
ワラビだのキノコだの採らんと歩いていけば
鶯の鳴く声も高朗
竹薮抜けて響く
気がつくと目の前に大きな屋敷があった

突然の奈落 不可解な闇
戸口から覗く瞳
底知れぬ恐れ 抗えぬ魅惑
恋するようなトキメキ

開けてはいけない戸を開けたね
どうなっても知らない

松の枝にしんしんと雪降り積もる冬景色の間
桃の花、梨の花、桜の花の春の間
むせ返る蝉時雨 緑のもゆる夏の間
実る穂は黄金の海原のような秋の間

灰色に霞む紅梅の香り
五番目はミルナの部屋
満たされぬ渇き 無尽蔵な欲望
罪に溺れてみたいの

開けてはいけない戸を開けたね
未来永劫さようなら

 

 
 

猫祭り「 『うぐいすの里』という昔話より。」

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