「全国高等学校ギター・マンドリンフェスティバル」の出場歴をまとめておきます。
「全国高等学校ギター・マンドリンフェスティバル」は毎年7月末(かつては6月初旬)の土日に開催される、中学生・高校生によるギター・マンドリン合奏、ギター合奏の全国大会である。
活動が盛んな地域では予選となる地区大会(東海支部、京阪支部、兵庫県、長野県、広島県、静岡県)があり、その結果として数校が全国大会へと推薦されるようである。
関東地方ではそういった地区大会はないので、慶應の3校は即全国大会という恵まれた(?)立場にある。
学校によってはこのフェスティバルが最終目標であり、これを最後に最上級生が引退するので、
そうでないところとは気持ちの入り方がやはり違うなと筆者は感じていた。
第1回から連続出場を続けているのは「雲雀丘学園 中学校・高等学校 ギター・マンドリン部」ただ1校である。
会場 | 大阪府立青少年会館 文化ホール(第1回~第38回) →吹田市文化会館 メイシアター(第39回~) | 主催 | 朝日新聞社 社団法人 全日本高等学校ギター・マンドリン音楽振興会 |
後援 | 文部省→文部科学省 大阪府、大阪府教育委員会 大阪市、大阪市教育委員会 吹田市、吹田市教育委員会(39回から) NHK近畿本部→NHK大阪放送局 ドイツ連邦共和国大使館→ドイツ連邦共和国総領事館 フランス大使館→× イタリア共和国大使館→イタリア総領事館 スペイン大使館 財団法人 大阪21世紀協会(32回から) |
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凡例は下にあります。
回 | 塾高 | 女子高 | 志木高 | 備考 | |||||||||||
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代 | 評 | 出 | 特 | 国 | 評 | 出 | 特 | 国 | 代 | 評 | 出 | 特 | 国 | ||
01 | 13 | - | - | 06 | - | ||||||||||
02 | 14 | - | - | 07 | - | ||||||||||
03 | 15 | - | - | 08 | - | ||||||||||
04 | 16 | - | - | 09 | - | ||||||||||
05 | 17 | - | - | 10 | - | ||||||||||
06 | 18 | 優 | 伊 | 優 | 11 | - | |||||||||
07 | 19 | 優 | 独 | - | 12 | 優 | 試験と重なった為女子高不参加 | ||||||||
08 | 20 | 優市 | 朝 | 西 | 優 | 13 | 優 | ||||||||
09 | 21 | 優 | 優 | 14 | 優市 | ||||||||||
10 | 22 | 優 | 優市 | 臣 | 15 | 優 | 朝 | ||||||||
11 | 23 | 優市 | 優 | 16 | 優 | ||||||||||
12 | 24 | 優 | 優 | 17 | 優市 | ||||||||||
13 | 25 | 優 | 優市 | 18 | 優 | ||||||||||
14 | 26 | 優市 | 優 | 朝 | 19 | 優 | |||||||||
15 | 27 | 優 | 10 | 優 | 20 | 優市 | 朝 | 「10年連続出場表彰」「15年連続優秀賞」制定 | |||||||
16 | 28 | 優 | 優市 | 伊 | 21 | 優 | 10 | ||||||||
17 | 29 | 優市 | 優 | 10 | 臣 | 22 | 優 | ||||||||
18 | 30 | 優 | 優 | 23 | 優市 | 規定演奏時間がそれまでの1曲7分以内から1曲8分以内に変更 | |||||||||
19 | 31 | 優 | 優市 | 24 | 優 | ||||||||||
20 | 32 | 優市15 | 優 | 25 | 優 | 「フェスティバル大賞」「20年連続出場表彰」制定 | |||||||||
21 | 33 | 優 | 優 | 26 | 優市15 | ||||||||||
22 | 34 | 優 | 優市15 | 27 | 優 | ||||||||||
23 | 35 | 優市 | 優 | 28 | 優 | ||||||||||
24 | 36 | 優 | フ | 伊 | 優 | 29 | 優市 | ||||||||
25 | 37 | 優 | 知 | 優市 | 30 | 努 | 国際賞審査方法の変更に伴い、この回の分の各国際賞は存在しない | ||||||||
26 | 38 | 優市 | 優 | 31 | 努 | この回から各国際賞がテープ審査(翌年発表)から当日審査(当日発表)に変更 | |||||||||
27 | 39 | ※ | ※ | 32 | ※ | ※台風9号の影響で、大会としての開催は中止、発表研修会となった | |||||||||
28 | 40 | 優 | 努 | 33 | - | ||||||||||
29 | 41 | 優 | 独 | 優 | 34 | - | |||||||||
30 | 42 | 優市 | 西 | 優 | 35 | - | 「イタリア大使賞」が「イタリア総領事賞」に変更、「30年連続出場表彰」制定 | ||||||||
31 | 43 | 優 | 優市 | 36 | - | 「文部大臣賞」が「文部科学大臣賞」に変更 | |||||||||
32 | 44 | 優 | 優 | 37 | 努 | 規定演奏時間がそれまでの1曲8分以内から1曲10分以内に変更 | |||||||||
33 | 45 | 優市 | 伊 | 優 | 38 | - | |||||||||
34 | 46 | 優 | 朝 | 優市 | 39 | 努 | 「ドイツ連邦共和国大使賞」が「ドイツ連邦共和国総領事賞」に変更 | ||||||||
35 | 47 | 優 | 30 | 優 | 40 | 努 | 「優秀指揮者賞」制定 | ||||||||
36 | 48 | 優市15 | 優 | 41 | - | ||||||||||
37 | 49 | 優 | 優市 | 30 | 42 | - | |||||||||
38 | 50 | 優 | 優 | 43 | - | ||||||||||
39 |
略記 | 名称等 | 備考 | |
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評 | 《評価》 | 便宜上のカテゴリ名 | |
奨 | 奨励賞 | ||
努 | 努力賞 | ||
優 | 優秀賞 | ||
市 | 大阪市長賞 | 3年連続優秀賞の名称 | |
15 | 15年連続優秀賞 | 第15回に制定 | |
出 | 《連続出場表彰》 | 便宜上のカテゴリ名 | |
10 | 10年連続出場表彰 | 第15回に制定 | |
20 | 20年連続出場表彰 | 第20回に制定 | |
30 | 30年連続出場表彰 | 第30回に制定 | |
特 | 《特別賞》 | カテゴリ名 | |
朝 | 朝日新聞社賞 | ||
知 | 全国知事会賞 | 第8回に初登場 | |
臣 | 文部大臣賞 → 文部科学大臣賞 | 第6回に初登場、第31回に変更 | |
フ | 鈴木剛記念 フェスティバル大賞 | 第20回に制定 | |
指 | 優秀指揮者賞 | 第35回に制定(生徒指揮のみ対象) | |
国 | 《国際賞》 | カテゴリ名 | |
独 | ドイツ連邦共和国大使賞 → ドイツ連邦共和国総領事賞 | 第34回に変更 | |
伊 | イタリア大使賞 → イタリア総領事賞 | 第30回に変更 | |
西 | スペイン大使賞 | ||
- | 《不参加》 | ||
代 | 《その年度の定演の回数》 | 塾高と女子高は代表して塾高の欄に記載 |
「文部(科学)大臣賞」「全国知事会賞」「朝日新聞社賞」のどれが第何位相当なのかという話題がある。
ギター・マンドリンと関係のない大会の例にならうと「文部(科学)大臣賞」が最優秀ということになるが、残り2つについてはよくわからない。
第34回までは記載順が「大臣、知事会、朝日」で、大臣賞・知事会賞はギターマンドリン合奏部門1校、ギター合奏部門1校ずつであるのに対して朝日賞はそれぞれ複数校であったが、
最近では記載順が「大臣、朝日、知事会」になり、知事会賞も部門で2校あったりするので、時代によって扱いが異なっているのかもしれない
(知事会と新聞社の力関係が逆転!?
複数校受賞についてはたまたま同点だったのかもしれない)。
ちなみにこちらやこちらでは断定的に記載されている(内容が逆だが)。
しかしながら、Mandolino di Sincrotrone ! さん(同)にあるように、
「フェスティバル」であって課題曲+自由曲で競う「コンクール」ではないので、このような順位付けを明言することは、大会の趣旨に反することなのかもしれない。
・・・とは言え、各地区大会では「最優秀賞」「朝日新聞社賞」「連盟奨励賞」と明確に順位付けがあるようである(これらを受賞した学校が全国大会へと推薦される)。
鈴木剛記念「フェスティバル大賞」は「過去の実績と当日演奏内容により選出」とのこと。 「鈴木 剛」氏については公式サイトにもプログラム冊子にも説明がない(賞が制定された第20回には説明があったのだろう)が、大阪財界の 実業家 鈴木剛(すずきこう, 1896-1986 : Wikipedia)氏である。
国際賞は第24回分までは「テープ審査」で、当日の演奏を録音したテープを各国大使館・総領事館が審査し、翌年の大会で審査結果を発表・表彰する、という形をとっていた。
例えば、第23回分は第24回に、第24回分は第25回に発表されたのである(この表彰は特別賞とは異なり初日に行われたので、前年分の国際賞を受賞する学校の代表者は(学校の演奏が2日目であっても)初日に大阪入りしていた)。
しかし、第26回分からは特別賞と同様、当日審査、当日発表になった。第26回分は第26回の当日、2日目の終わりに特別賞と同じタイミングで発表されたのである。
その結果、第25回分の国際賞は(審査したのか否か不明であるが)発表される機会がなく、記録にもない。
第26回以降の国際賞に、特別賞との住み分けがあるのか否かは不明である。
第24回のプログラム冊子によれば、第23回分の国際賞(1993年大使賞)はドイツ、スペインのみでイタリアは受賞校がなかった。 「該当なし」と記載される場合もあるのだが、この回についてはそれすらなかった。多忙で審査できなかったのだろうか。
少なくとも第6回から第9回までは後援に現3ヶ国の他に「フランス大使館」が入っている。「フランス大使賞」はなかったのか?
第27回(1997(H9)年7月26日~27日)は公式で「幻の第27回」と表現されている。
当時台風9号「ROSIE」が近畿地方を直撃。
初日26日の時点で交通の乱れから会場に辿り着けない学校があり、大会としての開催を断念、発表研修会となった。
慶応陣は27日に朝早くの新幹線で東京から新大阪、そして森ノ宮へ到着したが、その時点では既に風雨共になかった。
各校演奏後の講評では、「優秀賞に値する」といった表現が使用されていた。