韓国の秋松雄(チュ・ソンウン、1941〜85)による一人芝居『赤いピーターの告白』を新宿モーツアルトサロンで上演。この作品はカフカの『ある学術院に提出された報告』を脚色した一人芝居で、1979年にソウルの「三一路倉庫劇場」で初演され、その後の数ヶ月で6万人の観客を集めたことで有名。雑誌「テアトロ」1984年5月号にみなもとごろうによる東京公演の劇評「ことばの自由と不自由(三月の新劇)」がある。
劇団「自由」は「第1回沖縄国際演劇フェスティバル」に劇団代表の金正ト(キム・ヂョンオク)が構成した『風吹く日にも花は咲く』(1984/3/8〜10)で参加。
「文藝會館」開館3周年記念行事として「韓国人形劇協会」の主催で「第1回ソウル国際人形劇祭」が開催された。日本から「劇団すぎのこ」、「人形劇場たけのこ」、「人形劇団ひとみ座」、「人形劇団どら」が参加。「すぎのこ」の『力を合わせて虎たいじ』は韓国の民話に材をとったもので、東亜日報は1984年3月29日付け記事で「韓国童話を脚色した日劇団の作品に関心」と報道した。
『マダンの宴』は「発見の会」(代表:瓜生良介)と当時「倉庫劇場」代表であった故・李源庚(イ・ウォンギョン)を中心にすすめられたイベント。韓国側は劇団民藝劇場による『ソウルマルトゥギ』を当時練馬区の豊玉にあった大駱駝鑑の劇場「豊玉伽藍」で上演した。これに呼応するかたちで、日本側は発見の会を中心に数多くの劇団から役者が集まって、鶴屋南北の『東海道四谷怪談』を瓜生良介の演出で上演した。上演場所はこの当時西武新宿線都立家政前駅にあった「北方舞踏派」の稽古場。【修正・加筆:20120615】
『マダンの宴』では演劇公演のほかにも各種のイベントが並行して行われた。李長鎬(イ・ヂャンホ)監督の映画作品『風吹く良き日』の上映や、高柳昌行のNew Directin Unitによる演奏(於:豊玉伽藍)、在日韓国人梁容子と水玉消防団の演奏(於:豊玉伽藍)、竹田賢一プロデュースの「コンタムポラン・オーケストラ」(於:豊玉伽藍)による演奏などである。
劇団民藝(ミネクッチャン)による『ソウルマルトゥギ』は『マダンの宴』の一環として、東京都練馬区の大駱駝鑑豊玉伽藍で上演された。
主催:発見の会
会場:大駱駝鑑豊玉伽藍
「韓国民俗劇研究所」の代表・沈雨晟(シム・ウソン)が来日し、新宿のプーク人形劇シアターで人形芝居を上演。“ソナンダン”は同研究所の付属劇団の名称。この公演はプーク人形劇場の「世界の人形劇シリーズ」第13回めにあたる。