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1985年の交流概況(2024年1月27日)

1985年は韓国でちょっとした日本現代劇ブームが起こった。つかこうへい『熱海殺人事件』の韓国語版である『熱い海』が文芸会館で上演されて好評を得たし、劇団「民衆劇場」は安部公房の『友達』を翻訳した『チングドゥル(友だち)』を上演した。また劇団「市民劇場」が新村のクリスタル百貨店文化フロアの「クリスタル小劇場」で12月15日から如月小春『DOLL』を上演するという新聞記事が出た(ただし実際に公演が行われたのかはまだ確認できない)。あるいは前述の民衆劇場の主催で「日本現代演劇セミナー」(講師:金義卿ほか)が開催された。また「日韓国交回復20周年記念事業」として、交流基金による「文楽韓国公演事業」(文藝會館大劇場、6/21〜23)が催行された。

このような「日本演劇ブーム」の半面で国立劇場(韓国)では国立劇団の秋公演のために韓国人原爆被害の問題を扱った『私は被爆者』(洪可異作)を準備した。“原爆被害の問題を扱った作品は、韓国でははじめての公演”(東亜日報1985年8月6日付け)になるらしい。しかし国立劇場の演劇部門レパートリー諮問委員会が「作品自体が稚拙である」「国立の団体がわざわざ日本を刺激する必要があるのか」等の意見を提出したため上演は行われなかった(東亜日報1985年9月17日付け)。

第2回「ソウル国際人形劇祭」(1985/4/1~5)

文藝會館の開館4周年記念行事として開催されたもの。日本から劇団「みんわ座」、劇団「どら」、「人形劇場たけのこ」そして人形劇団「プーク」『』が参加した。
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劇団自由(韓国)日本公演(06/18~20)

韓国の劇団自由(チャユウ)が『風吹く日にも花は咲く』(キム・ヂョンオク演出)を、東京は渋谷ジヤンジヤンで上演。この後、大阪「ピッコロシアター」(6/22)、京都「府立文化芸術会館」(6/24)、広島「東区民文化センター」(6/25)、札幌「札幌教育文化会館ホール」(6/27)、旭川「市民文化会館ホール」(6/28)、釧路「釧路市公民館」(6/29)で上演。【加筆/20120616】
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「文楽」韓国公演(06/21~23)

「日韓国交回復20周年記念事業」の一環。ソウルの文芸会館大劇場のほかに釜山市民会館大講堂(6/26〜27)でも上演した。

韓国語版『熱い海(『熱海殺人事件』)』文芸会館(11/1~9)

つかこうへい(金峰雄、1948〜2010)が韓国語に翻訳した自身の作品『熱い海(熱海殺人事件)』をソウル・文芸会館で演出・上演した。出演は全茂松(チョン・ムソン)・姜テギ(カン・テギ)・崔柱峰(チェ・ヂュボン)そして金知淑(キム・ヂスク)。
東亜日報「日本現代劇、韓国舞台に上がる」 東亜日報「日本現代劇、韓国舞台に上がる/年末までに“熱い海”など3編、新しい劇団で紹介」(1985年10月31日)

民衆劇場『友人たち』(11/5~一ヶ月)

劇団「民衆劇場」(韓国、代表/鄭鎮守=チョン・ヂンス)が「民衆小劇場」の開館記念として安部公房の『友達』を翻訳した『友人たち』(演出:鄭鎮守)を毎週火曜日から木曜日まで、ひと月間上演。民芸劇場は週中に作品性の高い『友達』を、そして週末には軽く楽しめる作品である『ティータイムの情事』を上演するという新しい試みを行った。【加筆/20120616】
東亜日報19851022 東亜日報1985年10月22日「演劇に週末・週中、別途番組登場」

1985年の演劇交流で手許に資料の無いもの

●韓国語版「熱海殺人事件」である『熱い海』の大阪公演

●劇団「市民劇場」が新村の「クリスタル小劇場」で12月15日から如月小春の『DOLL』を上演?

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